目下、スーパーGT2連覇中!! 史上初の3連覇に向け、今年もランキングトップを走る松田次生選手を独占インタビュー。
松田選手がレースを始めたきっかけ、そしてスーパーGTの醍醐味とは? 国内トップドライバーが自らの言葉で語ります。
インタビュー:編集部/写真:NISMO、編集部
ベストカー2016年4月10日号
レースを始めたきっかけは“あの名車”
──さっそくですが、松田選手はなぜレースを始めたんですか?
松田次生選手(以下、松田) 小学生の頃、グループAやGTのレースを扱った番組を観たり、その番組でR32スカイラインGT-Rやシルビアを知って「スポーツカーってカッコいいな」と、“クルマ好き”になったのがきっかけでしたね。
──実際にレースを始めたのはいつですか?
松田 中学2年の時にカートを始めました。当時、僕は陸上をやっていたんですが、怪我をして、それで親に内緒でカートのライセンスを取って、カートの見積もりを取りに行って……やっと約30万円のカートを買ってもらいました。
──資金的に苦労もあった?
松田 親がレースをやっていたわけでもないですしね。最初のレースでカートを全損した時は、カート屋さんが安いフレームを用意してくれたこともありました。だから「結果さえ出せば、サポートを受けられる」と必死でした。
国産メーカーが火花を散らすスーパーGTはフォーミュラ並みの速さ!!
──その後、松田選手は全日本GT選手権(※現在のスーパーGT)や、フォーミュラ・ニッポン(※現在のスーパーフォーミュラ)でも活躍しました。松田選手から見て今のスーパーGTマシンはどこが凄いんでしょうか?
松田 僕が2000年に初めてGT500に乗った時のマシンはマクラーレンGTRでした。当時、10月の鈴鹿で出したラップタイムは、「2分を切るか切らないか」でしたが、今や真夏の鈴鹿で1分47秒台ですから!! 涼しい時期なら45秒台は出せると思います。
──コンディションの差もありながら、ここ15年で約15秒短縮……凄いですね。
松田 ちなみに2005年に僕がフォーミュラ・ニッポンの予選で出したタイムが1分44秒台なので、今のスーパーGTマシンは、ほぼフォーミュラ並みの速さです。しかも、エンジンは2Lの直4ターボ。メーカーの技術は本当に凄いなと思います。
──では、スーパーGTの魅力とは何でしょうか?
松田 GT500では日産のGT-R、レクサスRC F、ホンダNSXと国内のトップメーカーのクルマが鎬を削ってバトルしている。これは、普段こうしたメーカーの愛車に乗るクルマ好きの皆さんにとっては堪らないですよね。
―─たしかに、それは大きな魅力ですよね。
松田 それにGT300は、ランボルギーニを始め、ベンツにBMW、ポルシェが参戦していて、かたやプリウスやGT-Rも走っています。これだけメーカーが揃っているレースって世界を見渡してもほぼスーパーGTしかないですよね。だから、ぜひ皆さんにはサーキットに足を運んでその魅力を体感してほしいですね。
松田次生(37)
1979年生まれ、中学2年からカートを始め、1997年には鈴鹿レーシングスクール・フォーミュラでスカラシップを獲得(スカラシップの同期には佐藤琢磨もいた)。2000年からフォーミュラ・ニッポンにフル参戦開始。スーパーGTの前身である全日本GT選手権にも2000年途中から参戦開始。
その後スーパーフォーミュラでは2007年に初チャンピオンを獲得、翌年も続けて2年連続王者となる。また、スーパーGTでは日産のエースチーム、NISMOで2014〜2015年と2年連続チャンピオンを獲得している。
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