日本のみならず、世界中で圧倒的な信頼を寄せられるランドクルーザー。ラダーフレームを採用し、過酷な未舗装路や砂漠でその性能をいかんなく発揮している。
そんな現行のランクル200もモデルライフは12年あまりが経過。世代交代に期待が膨らむが、次期型ではなんとハイブリッドが設定されるという。しかも、その登場時期は、2020年8月になるという!
世界に誇るタフで、ラグジュアリーな1台はどのように進化するのか。エクステリアデザインからパワートレーンまで、今わかっている最新情報を一挙にお届けする。
文/遠藤徹
写真/TOYOTA
CG/ベストカー編集部
【画像ギャラリー】世界中で愛されているランドクルーザー。その歴史をプレイバック!!
■タフさはそのままに、時代に合わせてハイブリッド搭載
トヨタは2020年8月上旬にもランドクルーザーをフルモデルチェンジする見込みである。現行「200」の登場が2007年9月18日であるから、実に12年ぶりの世代交代となる。次期型は当然のことながら「ランドクルーザー300」として生まれ変わる。
トヨタの次世代クルマづくりの考え方を導入したプラットフォームである「TNGA」を採用。オフロード走破性に優れたラダーフレーム構造は、より高次元に進化させて引き続き採用する。
パワートレーンは、現行の4.6LV8から3.5LV6ハイブリッドに改められる。トランスミッションは従来の6速ATからCVTに変更され、フルタイム4WDとの組み合わせとなる。
性能は、現行の4.6LV8が最高出力234kw(318ps)/5600rpm、最大トルク460Nm(46.9kgm)/3400rpmなのに対して、新型車に積む3.6LV6ハイブリッドユニットは220kw(299ps)/6600rpm、356Nm(36.3kgm)/5100rpmと数値上では若干パワーダウンするが、その分はモーターアシストの作動やボディの軽量化で十分にカバーしている。ハイブリッドユニット自体も低燃費志向ではなく、パワーアップのほうに振るアレンジメントを施していると思われる。
ボディサイズは全長4950mm、全幅1980mm、全高1870mmで全長の5m、全幅&全高2m以内はそれぞれ継続となる。ホイールベースの2850mmは50mm程度延長される可能性がある。
エクステリアデザインは、基本的には現行のSUVシェルを踏襲するが、シンプルなラインからやや直線基調でワイルド感を強調するスタイリングで仕立てる。フロントマスクは最近のトヨタ車に見られるような、バンパーまで切れ込んだ台形の大型横線メッキグリルで押し出しの強さをアピールする。
室内は3列シート8人乗りと2列シート5人乗りの2タイプ構成だが、4グレードのうち2列シートは1タイプのみで、メインは3列シートが受けもつ。シートは本革、モケット、トリコットの3種類をグレードによって分けて採用するのは従来と同様になると思われる。タイヤサイズも20、18、17インチとグレードでわける。
安全対策はアクティブ&パッシブセーフティのどちらも大幅なポテンシャルアップを図って、トヨタ車の最高峰に位置づける。トヨタセーフティセンスは上級クラスだと現在、クラウン、アルファード/ヴェルファイアが最高の進化バージョンを採用しているが、次期型ランドクルーザー300もこれらに並ぶかそれ以上のデバイスを標準装備する。
現行モデルの「トヨタセーフティセンス」は、プリクラッシュセーフティ(歩行者昼検知機能付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式)、レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームなどのデバイスがある。これを新型車ではプリクラッシュセーフティが歩行者昼夜、自転車運転者昼に拡大、標識の見逃し防止サポート、レーダークルーズコントロールも設定可能な速度領域が時速約50km/h以上が0km/h以上まで拡大する。
メーカーオプションのコネクトナビのサイズは、7インチしか選べないのが8インチまで拡大し、利便性を高める改良もする。現行モデルの生産枠も次第に絞られつつある。すでに受注生産方式に切り替えられている。ボディカラーは8色あるうち、ベージュマイカメタリックとダクブルーマイカはオーダーが止まっている。
ひとクラス下の「ランドクルーザープラド」はランドクルーザーとは約2年間のモデルレンジの違いがあるので、こちらの次期型は2022年8月か9月あたりの世代交代になりそう。ボディサイズがひと回り小さく、エンジンは2.7Lガソリン&2.8Lディーゼルユニットを搭載している。それぞれ2列シート5人乗り、3列シート7人乗り仕様があり、こちらは2列シートが中心に売れている。
ランドクルーザー/ランドクルーザープラドを合わせたシリーズ全体としては月販2000台規模をコンスタントに売りさばいている。ディーゼル車の販売構成比は40%以上で人気が高い。
新ラインアップが出揃えば、さらに人気が高まるに違いない。国内には対抗するライバル車が輸入車以外は存在しないのが強みになっている。残価設定クレジットで購入する場合、3年後の残価は60%、5年後は40%と国産陣営では最高のパーセンテージを確保している。
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