ダカール2023は9日、サウジアラビアの首都リヤドで中間休息日を迎えた。
前半戦の競技でトラブルを抱えた箇所、傷めつけられた箇所をリフレッシュするのが習わしで、日野チームスガワラの日野600も、メカニックの手厚い点検整備を受けていた。
文/トラックマガジン「フルロード」(日野チームスガワラSNSより)、写真/日野チームスガワラ・ASO
水温上昇のトラブルの原因が判明
1月9日の中間休息日は競技は行なわず、リヤド市内の飛行場近くに設けられたビバーク地では各陣営のメカニックたちが車両の点検整備に余念がなかった。
ハイブリッド機構を搭載した日野600シリーズ(菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組)でトラック部門に参戦している日野チームスガワラは、昨晩リヤドのビバークに到着するとメカニックたちが早速点検整備に取り掛かり、ここ数日の水温上昇の原因究明を行なった。
その結果、エンジン本体のトラブルが判明。現場での修復はむずかしく、制御面で症状の抑制を図ることになった。
車両をリフレッシュ、後半戦の順位浮上を目指す!
このほかの機器では、エラーが発生していたハイブリッドシステムはインバータとモーターを交換。中間日で交換予定だったトルクコンバータ式自動変速機は数日前に換装されており、さらに前後のリーフスプリングも交換するなど、車両は大幅にリフレッシュされた。
現在日野600シリーズは累積順位でトラック部門の総合14位につけているが、後半戦を通じてさらなる上位浮上を果たすべく、チームは全力を尽くす。
後半戦の初日の行程はリヤド~ハラド。リヤドから南東に向かい、渓谷やワジ(枯れ川の底)を行く359kmのハードなSS(競技区間)が予定されている。
チームメンバーのコメント
菅原照仁
明日からの後半戦をトップ10入りを目標に頑張っていくつもりです。今年、我々のペースが良くなったのはサスペンションの改善が大きい。以前は(より排気量の大きい)トップ勢から1ステージあたり50分ぐらい離されていたのが、今は15~20分になりました。水温上昇の問題はありますが、本来の走りさえできれば達成可能な目標だと思います。
染宮弘和
ここにきて我々日野チームはクルマが速くなると同時にクルーも経験値が増し、ナビゲーションをしているとコースを作った主催者の真意がある程度読めるようになってきました。後半戦がどれぐらいむずかしくなるのかわかりませんが、ペースが上がっても正確なナビを心がけて結果につなげたいと考えています。
望月裕司
残念ながら冷却水が減る原因がエンジンにあることがわかりました。乗車メカニックとしてダメージが広がらないようできるだけのことをして、なんとしてもゴールしたいと思います。