2019年10月23日に開幕した第46回東京モーターショー2019には、複数の市販予定車が出展されている。このなかでも特に迫力満点だったのが、トヨタのミニバン『グランエース』だ。
グランエースは、青海展示棟 Bホール(AB02)にあるトヨタ車体ブースで、10月23日~11月4日まで展示される。
開発と生産は、トヨタの完全子会社となるトヨタ車体が受け持つ。トヨタ車体は、アルファード/ヴェルファイア、ノア/ヴォクシー、ハイエース、ランクルなどの車種を手掛けるエキスパートだ。
今回はそのモーターショー会場でクルマをチェックし、直に開発者などに取材して判明した、グランエースのとれたて生情報をお伝えしたい。
文/渡辺陽一郎
写真/編集部、トヨタ車体
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■実測してわかったグランエースの使い勝手
グランエースのベースは海外版のハイエースで、エンジンをボンネットの内部に収める。このミニバン形状のボディは、日本で売られるワンボックス形状のハイエースに比べて空間効率が下がるが、車内に伝わる振動やノイズは効果的に抑えられる。
ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も伸びるから、乗り心地を高めるうえでも有利だ。そこでグランエースは、海外版ハイエースと同じボディを使いながら、3列シートと4列シートのミニバンに仕上げた。
グランエースの一番の特徴は、海外で使われる商用車がベースだから、ボディが大きくて車内も広いことだ。ボディサイズは、全長が5300mm、全幅は1970mm、全高は1990mmに達する。
人気の高い上級ミニバンのアルファードが、全長4950mm、全幅1850mm、全高1950mmだから、グランエースは350mm長く、120mm広く、40mm高い。ホイールベースもグランエースが3210mm、アルファードは3000mmだから、210mm伸びた。
駆動方式は、アルファードがミニバンで一般的な前輪駆動なのに対して、グランエースは商用車がベースだから後輪駆動になる。このレイアウトは車内の広さと乗降性に大きな影響を与えた。
ミニバンやバンは床を平らに仕上げる必要があるから、後輪駆動ではトランスミッションと後輪へ駆動力を伝えるプロペラシャフトをカバーできる位置に、床面を設定せねばならない。
そうなると床が高まり、グランエースの場合、スライドドア部分の床面地上高は550~600mmに位置する。ヴォクシーは380mm前後だ。
アルファードは見晴らし感覚を重視して、前輪駆動でも床を敢えて高く設定したが、それでも450mmに収まる。これらの前輪駆動車に比べると、グランエースの床は明らかに高く、乗り降りしにくい。
また床が高いと、室内高は減る。グランエースの全高は1990mmだが、室内高は1290mmだ。室内高は測る位置によって増減するから一概にいえないが、アルファードの1400mmを110mm下まわる。
逆に全高はグランエースが40mm高いから、単純に計算すれば、グランエースの床はアルファードより150mm高いわけだ。
ボディの基本的な造りが分かったところで、車内に入り、まずは運転席に座る。着座位置が高いので、周囲を見降ろす感覚が強い。
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