■気になる価格はどの程度になりそうか?
開発者に価格を尋ねると「まだ未定だが、ベースが商用車だから、極端に高くはならないだろう」という。それでもアルファードハイブリッドG・Fパッケージ(E-Four)が565万4000円、レクサスGSなどと同じV型6気筒3.5Lを搭載するアルファードGF(2WD)が532万4000円だから、グランエースも550~590万円になりそうだ。
クラウンの豪華指向のグレードとされるGも、2Lターボが551万6500円、2.5Lハイブリッドが572万5500円だから、グランエースが550~590万円であれば割安とも受け取られる。
今はこの550~600万円の価格帯が、国産車の実質的な上限になっているから、グランエースもそこに落とし込むだろう。そうなればボディが大柄で存在感の強いグランエースは、アルファード&ヴェルファイアやクラウン以上に注目を集める可能性が高い。
そして、LサイズのミニバンやSUVは、外観に強い存在感が伴うこともあり、本来の機能とは違う趣旨で購入されることも多い。いわゆるドレスアップもそのひとつだが、今では当たり前の楽しみ方になった。
もしかするとグランエースは、まったく想像できない需要を生み出すかも知れない。例えば2/3列目を外した仕様を提供すれば、運転感覚が上質で安全装備の充実した高級なキャンピングカーにもアレンジできる。
トヨタがグランエースを発売する目的にも、新たな需要の掘り起こしが含まれる。今は市場が行き詰まり、販売促進の有力な解決策も見つからないから、いろいろなチャレンジをするわけだ。
今の日本車メーカーは世界生産台数の80%以上を海外で売り、各社とも「日本で買えない日本車」をたくさん開発している。
特に日産などは、海外向けの車両をもっと有効に活用すべきだ。たとえ海外向けでも、日本のメーカーが開発した商品だから、国内でも共感が得られる可能性を秘めている。グランエースのような海外モデルの国内導入を積極的に試してほしい。
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