【バス運転士不足問題】バスマニアがひと肌脱ぐか……バイト運転士も大募集中ってマジ?

　今や猫の手も借りたいくらいに欲しいバス運転士だが、さすがに猫には運転できないので人の手を借りることになるが、正業として運転士をしようとする人は依然として少ない。しかしバスを運転したい人はこの日本に山のようにいる。そう、バスマニアだ。バイトでも運転士になれるのだろうか。

文／写真:古川智規（バスマガジン編集部）
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■まったくないわけではない

　最近は正社員での採用が主流だが、これは正業として運転士をやろうとする人向けだ。正業は別に持ち、空いた時間でダブルワークという方は転職しなければならないので勇気と決断がいる。しかし調べてみると、大々的に表に出ているのはもちろん正社員でのフルタイム勤務だが、時給制運転士もあるにはある。

　すべての事業者を調べたわけではないが、例えば東京都内都心部だと富士急グループのフジエクスプレスはパートタイム運転士を募集していた。契約期間は1年間でもちろん更新可能だ。今回はバスマニアが空いた時間にバスを運転しようという架空の主旨なので、待遇は気にしないという前提だ。好きな時間にバスを運転したいということだ。

　別にマニアだからと言って、他と違うところはない。バスに詳しく、何なら運転士の接客対応まで隅々まで研究しているマニアすらいる。バスが好きな方はバスは言うに及ばず、運転士もお客さんもバス停も営業所もバスにかかわることは何でも好きなのだ。それを前提に話を進める。

■2パターンの働き方

　目に留まったフジエクスプレスのパートタイム運転士の働き方は2種類だ。労働時間は基本的に4時間で変わらない。06:20から23:40までの中での基本4時間だ。ただし、路線バスは朝夕のラッシュ時に運転士が多く必要なので、その点はマニアなら理解していることだろう。

　月間8日間、年間96日の休日の場合は時給1500円だ。土日祝日および年末年始を含む年間の休日が120日の場合は時給1300円である。いずれも賞与はない。今回は待遇面については置いておく。バスマニアが趣味と実益と考えれば、空き時間利用なので大した問題にはならないものとする。

■研修は同じ

　大切な旅客を運賃を収受して運送するのだから、正社員であろうとパートタイムであろうと行う研修は同じだ。同社の場合は富士急グループとしての統一的な研修の後で、同社としての路線研修を行うようだ。

　実際の労働時間等の条件に合うかどうかは、あるいは合わせてくれるかどうかは問い合わせと交渉次第だとは思うが、港区のコミュニティーバスである「ちぃばす」や富士急バスとの連携や移管により運行する高速路線、または契約による送迎輸送あるいは貸切車の運行も多いことから、希望次第で合致する運転士の空きがあれば相談に応じてくれるのではないかと思われる。

■免許は自前で用意！

　問題となるのは運転免許だが、正社員採用であれば今どきはどこの事業者でも、公営事業者でさえ会社負担で免許取得をさせてくれることが多い。それでも運転士の応募がないのがバス運転士不足問題だ。

　パートタイム運転士を募集している事業者は、前述の通りすべてを調べたわけではないが、免許だけは自前で用意するしかない事業者がほとんどだ。よってすでに大型二種免許を持っているマニアの方であれば、好きなバスを運転して趣味と実益を兼ねることができる可能性がある。

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