2013年10月、軽スーパーハイトワゴンが注目カテゴリーとなるなか、フルモデルチェンジを果たしたダイハツ 3代目タント。このクラスのナンバーワンはどれなのか? 3代目タント、初代N-BOX、初代スペーシアの3車を徹底比較!!!(本稿は「ベストカー」2013年11月26日号に掲載した記事の再録版となります)
文:渡辺陽一郎
■動力性能
背の高い軽自動車にとって、最大の欠点は動力性能。車両重量は800~950kgに達し、エンジンの排気量は660ccだから力不足に陥りやすい。
ノーマルエンジンで比べると1位はスペーシア。車両重量は850kgで最大トルクは6.4kgm(4000回転)になり、力不足を感じにくい。
2位はN-BOX。ボディは重いが実用域の駆動力を高めた。
3位はタント。実用域のトルクが乏しく高回転指向だから辛い。5000回転付近から速度上昇が活発化するが、発進直後を含めて頻繁に使う回転域が弱い。
ターボでは最大トルクが50~60%上乗せされる。1位は軽量なスペーシアと、10.6kgmの最大トルクを2600回転で発揮するN-BOXが同格だ。3位はタントだがさほど不満はない。
なおタントとスペーシアは燃費も優れ、ノーマルエンジンに対するJC08モードの悪化率を10%以内に抑えた。
●動力性能の採点
・タント(NA)…5点
・タント(ターボ)…8点
・N-BOX(NA)…6点
・N-BOX(ターボ)…7点
・スペーシア(NA)…7点
・スペーシア(ターボ)…8点
※NAはNA同士で採点、ターボはターボ同士の採点です
■走行安定性&乗り心地
全高が1700mmを超える軽自動車では安定確保が難しい。最も背が低いスペーシアでも全高は1735mm。全幅に対する全高の比率は118%で、5ナンバー車に当てはめると2mに相当する。かなり高重心だ。
1位はタント。先代型は後輪側の安定確保のために操舵感を鈍く抑えたが、新型は前後の足回りにボディの傾き方を制御するスタビライザーを備える。安定性が優れ操舵感も鈍くない。2位はスペーシア。後輪の接地性は少し低下するが、操舵に対する鈍さは抑えた。3位はN-BOXになる。
乗り心地はN-BOXが柔軟で1位。2位はタント。3位はタイヤの硬さを感じさせるスペーシアになる。
●走行安定性&乗り心地の採点
・タント(走行安定性)…7点
・N-BOX(走行安定性)…4点
・スペーシア(走行安定性)…6点
・タント(乗り心地)…5点
・N-BOX(乗り心地)…6点
・スペーシア(乗り心地)…4点
■使い勝手
全車が後席を小さく畳めて荷室を拡大させやすく、収納設備にも重点を置く。ボディの両側にはスライドドアも備える。
1位はタント。左側のドアを前後ともに開くと開口幅が1490mmに広がり、乗降性が優れる。後席の折り畳みとスライド機能は左右独立式。収納設備も相応に確保される。2位は僅差でスペーシア。スライドドアの開口幅は3車のなかで最も狭いが、床の位置は一番低い。子供の乗降に適する。シートアレンジはタントと同様だ。収納設備は3車のなかで最も充実する。
3位はN-BOX。後席にスライド機能が付かず、乗員と荷物の量に応じた調節をしにくい。その代わり後席を格納した時の荷室容量は最大だ。
●使い勝手の採点
・タント…9点
・N-BOX…6点
・スペーシア…8点

















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