■居住性
前席は全車がベンチタイプを採用。座り心地はタントが少しリードするが3車とも快適だ。
居住性が順位に影響するのは車種ごとの差が生じる後席だ。
1位はN-BOX。着座位置が適度で座り心地が優れ、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ4つ分になる。VIPセダンのセンチュリーでも3つ分だから、前後方向の足元空間は国産乗用車のなかでも最大級だ。
2位はスペーシア。多彩なシートアレンジが可能だが、着座位置も適度で座面の柔軟性も確保した。後席に座る同乗者の膝先空間は前述の測り方で握りコブシ3つ分だが快適に座れる。
3位はタント。足元の広さはN-BOXと同等だが、床と座面の間隔が不足して沈み込みも少ない。体の支え方が少し不満だ。それでも座面は長く、先代型に比べると快適性は大幅に向上した。
●居住性 採点
・タント…6点
・N-BOX…8点
・スペーシア…7点
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■質感
質感は見る人によって受け取り方が異なるが、実用的な機能と並んで購買意欲を左右する。開発段階ではライバル車を超えることも考えるので、後から投入される車種が有利だ。
この経緯もあり、一般的にはタントが最も上質と感じるだろう。インパネ中央の張り出しが助手席の足元に干渉する欠点はあるが、質感は高い。2位はスペーシアでインパネの色分けも巧み。3位はN-BOX。インパネは水平基調で操作性はいいが、質感はあまり高くない。
●質感 採点
・タント…7点
・N-BOX…5点
・スペーシア…6点
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■装備
機能に対して価格を割安に抑えた標準ボディのタントX“SA”（135万円）、スペーシアX・レーダーブレーキサポート装着車（136.5万円）、N-BOX・G/Lパッケージ（136万円）を比べる。3車間で激しい競争が展開され、価格もほぼ横並びだ。そしてライバル車を研究しながら開発されるため、買い得感では後から登場した車種が有利になる。
結果、最も買い得なのはタント。衝突回避の支援機能スマートアシストを備え、左側スライドドアはワイドに開いて電動機能も付く。2位はスペーシア。実用装備が充実してレーダーブレーキサポートも4.2万円だ。3位はN-BOXになる。
●装備の採点
・タント…9点
・N-BOX…6点
・スペーシア…8点
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■総合評価
走行性能から収納設備までを加味すると、総合評価が高いのはスペーシアとタント。スペーシアは突出した特徴を持たない半面、欠落した機能もない。幅広い用途に応じて長く使える。
いっぽうタントは現行型は右側にもスライドドアを備え、走行安定性は大幅に向上した。後席も先代型よりは快適で、衝突回避の支援機能も大きなメリットになる。開口幅の広い左側のドアは、乗降グリップも採用されて乗降性は抜群。高齢者のいる世帯では最良の選択だ。
3位はN-BOX。後席がスライドせず運転感覚は鈍い。総合評価は下げたが、後席を畳んだ時の荷室は抜群に広く、荷室の床は低い。積載性を重視するユーザーに適している。
●総合評価
・タント…9点
・N-BOX…7点
・スペーシア…9点
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