注目された日産の決算説明会だが、同社の力作e-POWERの進化についても説明があった。これまで2026年と見られていた第3世代e-POWERが、どうやら前倒しして投入されるようだ。燃費も向上し価格もガソリン車並みになるというから、こりゃすごいじゃないの!
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車、ベストカーWeb編集部
第3世代で高速燃費を改善!
日産独自のシリーズハイブリッド「e-POWER」。2016年、ノートへ搭載されてデビューしたが、モーター駆動による静粛性や高レスポンスなどが評判を呼んだ。2020年には第2世代へと進化、e-POWER専用エンジンを採用することで燃費を10%向上させ、満を持してグローバル市場にも投入された。
e-POWERはBEVとの共通性が高いため、電動化への移行期には適したパワーユニットといえる。いっぽうでコストの高さや高速燃費の落ち込みなどが課題となっており、日産はこれらの解決に取り組んできた。その回答が第3世代e-POWERというわけだ。
すでに日産はその技術を2023年春、「X-in-1」という名前で公開している。「X-in-1」には「3-in-1」と「5-in-1」の2つのユニットがあるが、e-POWER用には、モーター、インバーター、減速機、発電機、増速機を一体化した後者を用いるという。
この5-in-1、ユニット全体で20~30%のコストダウンを目指しており、2030年にはe-POWER車のコストを純ガソリン車並みにするという。これは日産の悲願でもあり、実現すれば経営面に大きく貢献することは間違いない。
高速燃費はどうだろう。今回の説明会では内田誠社長が「高速以外ではそれなりにメリットが出てるという評価をいただいているが、高速性についてはどうかという意見もあった」と述べ、課題として認識していることを明かした。
いっぽうそれに続いて「我々は第3世代でそれを変えていく。これには自信をもっている」と語っていることから、次のe-POWERがなんらかの形でブレークスルーしてくることは間違いないだろう。
【画像ギャラリー】変身CMが面白かったデュアリスの進化版キャシュカイの全貌がこちら!(25枚)画像ギャラリー欧州向けキャシュカイが「まもなく出ます」!
そして注目されるのが、第3世代e-POWERの導入時期だ。2024年春に開かれた日産の経営計画説明会では、第3世代e-POWERは「2026年会計年次に北米から」とアナウンスされていた。
いっぽう今回の説明会では掲示されたスライドには「2025‐2026年度」という記載が。そしてこれを後押しするように、説明に立った中畔邦雄CTOが「今年もうすぐ欧州のキャシュカイから出ますけれども……」と発言した。つまり予定より1年ほど前倒しされたと推測できる。
欧州のキャシュカイといえば、日本のデュアリスを源流とする世界戦略車。なかでも欧州、とりわけイギリスで大ヒットモデルとなっており、第3世代e-POWERを搭載する意味は非常に大きい。欧州では2022年に第2世代e-POWERを搭載し、2024年にフェイスリフトをしたばかりだから、おそらく現行モデルのまま、パワーユニットを刷新すると予想する。
日産としては、速度域の高い欧州に新世代e-POWERを初投入することで、大きな話題性を獲得したいはず。続いてアメリカでローグに積み、日本導入は2026年登場とされる新型エルグランドとなるのだろう。
e-POWERは日産回復の幹ともなる技術だけに、今後も目が離せない。まもなくデビューするはずの新型リーフとともに、登場を楽しみに見守りたい。
【画像ギャラリー】変身CMが面白かったデュアリスの進化版キャシュカイの全貌がこちら!(25枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方e-Powerのノートをよくタイムズで借りるが、モーターの走りはなかなかに楽しい。がんばっていただきたいものだが、そもそも、ガソリンエンジンでパワーを得ているのだからG-Powerの方が、より正しいのでは・・・ 蓄電を徐々に大きくすれば、そのうちBEVになり、本当のe-Powerになる。ダメと言われる日産は、本当はダメじゃないような気がする。デザインもホンダほどひどくない。
先ずはデザイン 高速燃費〜など2の次さんの次 デザインの責任者とそのナンバー2.ナンバー3.その他大勢は一体何やってんだろう?
シボレーボルト(2010-2019)のパクリ
初めから変速機を入れればいい物をコストで入れなかった
”燃費が悪いハイブリッド”のイメージ定着
こんなものを技術と言える神経を疑う ただのパクリ
ジェレミー・クラークソンが大嫌いなクルマ、日産キャシュカイ
第三世代e-POWERは、初代e-POWER比で燃費は20%向上(約28→33.6km/L?) 高速走行時の燃費は、第二世代e-POWER比で15%改善(約27→31km/L?) との報道でした。
ちなみにアクアのスペックが総合33~34km/L 高速32km/L位) 本当ならすごいですが、にわかには信じがたい。アクアよりは落ちるがフィットよりは上ですから。
00~10年代に掛けてのBEVの先行性と、運転支援技術の優位性は世界一だったのに、両方全く生かせなかった日産、
残ったのはこのe-POWERのみです。ただ性質的に、伸びしろが小さく、競争力がある期間が短い技術でもあります。
何よりも迅速な市場投入を、優先しなきゃいけない。来年後半には海外勢含めてHVだらけですよ
26年~と悠長な事いわずに、第一弾は25年、本命ノート搭載もそれに続いてやってほしい