2023年のジャパンモビリティショーで公開され大きな注目を浴びたホンダ プレリュードコンセプト。あの復活したプレリュードが「コンセプト」から「プロトタイプ」となって我々の前に降臨した。おなじみ国沢光宏氏が試乗!!
※本稿は2025年1月のものです
文:国沢光宏/写真:ホンダ
初出:『ベストカー』2025年2月10日号
モーター駆動の事実を忘れる「楽しさ」を実現
多くの人が「ホンダは電気自動車に開発の全パワーを投入している」と認識していることだろう。実際、三部さんも社長就任半年後、カーボンニュートラルへのアプローチに触れて「Hondaはエンジンをやめることを選んだ」との発言をしている。
一方、最近になって電気自動車の普及は踊り場を迎えており、電気自動車に全力投球すると宣言したボルボやメルセデスは撤回した。
加えてアメリカの大統領が「石油を掘って掘って掘りまくれ」というトランプさんに。「電気自動車一直線のホンダ大丈夫か?」と言われ始めたのは周知のとおり。
するとどうよ! 突如「2年くらい前から新しいハイブリッドを開発していたので新型プレリュードの試作車と一緒にお披露目します!」。しかも試乗させるという。エンジン開発をやめていなかった?
前置きはこのあたりにして「乗ったらどうか」を紹介したい。新世代ハイブリッドはその特長として「楽しさ」と「燃費」と「実用性」、そして「コスト」の4つを狙ったそうな。相当欲張ってます(笑)。
まず「楽しさ」だけれど、乗ってびっくり! ノーマルモードは普通のハイブリッドながら『S+』というモードを選ぶと、もはやモーター駆動ということを完全に忘れてしまう。
ホンダの2モーターハイブリッド、電気自動車と同じくモーターで直接駆動している。エンジンは高速巡航燃費を稼ぐための直結モードを除き、基本的に発電用。
にもかかわらずS+モードを選ぶと、変速ギアなどついていないのに、軽い変速ショックを出しながら加速していく。変速ショックと同時に、エンジン回転数もギア付き車のごとく変化する。さらにエンジン音をスピーカーで出す。
よくできたバーチャル体験機だと思えばいい。ハンドルを握っていると、クロスレシオのスポーツモデルに乗っている感じ。
加えてこのパワーユニットと組み合わされる新型プレリュードは、足回りがシビックタイプRだという。ブレンボのブレーキや、ザックスのダンパーですね。S+モードでワインディングロードを模したハンドリング路を走らせると、笑っちゃうくらい楽しい!
ご存知のとおりバーチャルゴーグルをして3軸で動くシミュレーターのシートに座ると、まるで自分が運転している気持ちになる。
新型プレリュード+改良型ハイブリッドはバーチャルゴーグルよりリアルな実像だし、3軸シートよりはるかに大きいGも出る。今回新型プレリュード+新しいハイブリッドに乗り「ハイブリッドでもスポーツモデルを作れるのね!」と嬉しくなった次第。
【画像ギャラリー】ホンダさんエンジンやめてないじゃん!! ハイブリッドの新たな可能性を見せたホンダ プレリュード プロトタイプ(20枚)画像ギャラリー























コメント
コメントの使い方メディアは皆んな大絶賛だけど、今どき2ドアクーペが売れるはずないのだよなぁw
S+は要するにフェイクの塊だけれど、それを納得した上で楽しく感じれば、それでいいじゃないかという事ですね。
今後、こういう機能はあらゆる車につくと思います。今のCVTのマニュアルモードみたいに、大衆車にも当たり前の機能になっていく。