「グランツーリスモ(GT)」の称号は、長距離走行に適した耐久性と走行性能を備えたクルマ、ひいては高性能車に与えられる。だったら別にセダンやクーペじゃなくてもいいよね? というわけで、ここでは「GT」にふさわしい乗り味を持つSUVを探してみる。
※本稿は2024年12月のものです
文:片岡英明/写真:三菱、トヨタ、日産、マツダ、スバル、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年1月26日号
今どきのGTはSUVもアリでは?
20世紀、GTといえばスタイリッシュなクーペかオオカミ派のセダンのフラッグシップだった。
しかし、今は視点が高く、舗装路も悪路も苦にしないクロスオーバーSUVが主役の座に就いているから、GT感の濃いSUVが増えてきた。
高速道路だけでなく山岳路やサーキットを走っても潜在能力の高さを見せつけるのはアウトランダーPHEVだ。走るステージにかかわらず気持ちいい。モーターの上質感と軽やかなエンジンの吹き上がりが渾然一体となってドラマチックな味わいがある。操っている感が強いのも魅力だ。
デュアルブーストハイブリッド搭載のクラウンクロスオーバーRSも、ボディの大きさを感じさせない俊敏さと悠々とした味わいを併せ持つ得難い一台である。
BEVのアリアNISMOは、モーターならではの鋭い瞬発力と滑らかな加速に加え、しなやかに動く足が大人の味わいを主張する。操る楽しさは格別だ。
マツダ CX-80はGT本来の悠々とした走りのグランドツアラーである。大排気量の直列6気筒ディーゼルを積んでいるが、驚くほど燃費がよくキャビンの快適性も高いからロングドライブを余裕でこなす実力の持ち主。パワフルなPHEVも上手にまとめた。
モデル末期で次期モデルの発表が秒読みになっているが、フォレスターのSTIスポーツは運転が楽しいSUVだ。悪路や雪道で非凡な実力を発揮するだけでなく舗装路を走っても卓越した走行性能を披露する。
●三菱 アウトランダーPHEV諸元(P)
・全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm
・ホイールベース:2705mm
・車重:2100kg
・エンジン:直4、2.4L+モーター
・エンジン出力/トルク:133ps/19.9kgm
・モーター出力/トルク:F:115.5、R:135.9ps/F:26.0、R:19.9kgm
・価格:570万5700円
●トヨタ クラウンクロスオーバー(RS)主要諸元
・全長×全幅×全高:4930×1840×1435mm
・車重:1900kg
・最小回転半径:5.4m
・パワーユニット:2.4L、直4ターボ(272ps/46.9kgm)+モーター(F:82.9ps/29.8kgm、R:80.2ps/17.2kgm)
・燃費:15.7km/L
・価格:605万円
●日産 アリア NISMO(B6 e-4ORCE)主要諸元
・全長×全幅×全高:4595×1850×1655mm(4595×1850×1655(1665)mm)
・ホイールベース:2775mm(2775mm)
・トレッド(前/後):1585/1585mm(1585/1590mm)
・地上最低高:170mm(180mm)
・車両重量:2080kg(1920kg)
・乗車定員:5名(5名)
・最小回転半径:5.4m(5.4m)
・交流電力量消費率:–Wh/km(166Wh/km)
・一充電走行距離:–km(470km)
・最高出力:218ps(218ps)
・最大トルク:30.6ps(30.6ps)
・サスペンション(前/後):独立懸架ストラット式/独立懸架マルチリンク式(独立懸架ストラット式/独立懸架マルチリンク式)
※()内は通常モデル(B6)の値。
























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