2025年1月、テスラ モデルYが新しくなった。旧モデルはフロントグリルのない「ツルン」とした顔が斬新だったが、新モデルでは左右のライトを繋ぐようにバータイプのデイライトが設置され、若干「アイアンマン」的風貌になった!?
※本稿は2025年4月のものです
文:西川昇吾/写真:奥隅圭之、テスラ
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
シンプルな「アイアンマンフェイス」で登場
世界で最も売れているクルマであるテスラのモデルYが新しくなった。
一新されたエクステリアは、より先進的な印象となった。フロントはサイバートラックなどと同じデザインテイストで、横一文字のデイライトを用いたシンプルでプレーンなフェイスだ。
これが令和版鉄仮面かと言いたいところだが、アメ車だし、CEOの存在を考えると「アイアンマンフェイス」と表現するのが正しいかもしれない(アイアンマンのモデルはイーロン・マスクらしい)。リアは反射を活かした光り方をするテールライトが特徴的だ。
室内に入るとセンターに鎮座した大きなモニターや、シンプルなインパネとステアリングに「テスラだなぁ」とより強く感じる。テスラ的にモデルYはファミリーカーという位置づけらしく、多くの人が運転しやすいようにあえてウインカーレバーが残されたそうだ。
ただ、それ以外の操作系は初めてだと戸惑うだろう。ステアリングの調整は、モニターの車両設定で呼び出してから、ステアリングスイッチで調整しなければならないし、シフト選択はモニターでフリック操作が必要なのだ。
自分のクルマなら気にならないけど、テスラの世界観を楽しめるか否かの第一関門は、このインターフェースに拒絶反応を示さないかにかかっていると言える。
日本のSUVに慣れた人には驚く「硬さ」
走り出した第一印象は「乗り心地が硬い」であった。
以前よりも改善されているそうだが、それでも日本のSUVに乗りなれた人ならば間違いなく「硬い」と感じるだろう。当日はRWDとAWD両方に乗り、RWDのほうが若干マイルドには感じたが、それでもSUVのなかでは硬い部類に入る。
この硬いサスペンションとクイックなギア比と小径のステアリングのせいか、ワインディングで運転していると結構イケイケで曲がってくれる。
ただ、ステアリングフィールはフロントタイヤのインフォメーションが薄く、スイッチ的な感じなので、ハンドリングやコーナーリングが楽しいといった感触ではない。
リアシートに乗るとリアタイヤが近いためか、突き上げ感はよりハードになる。センター下のモニターでYouTubeなどが楽しめるが、絶対に酔うと思う。ただ、足元も含め広々とした空間になっていて、ルーフガラスもあるので結構開放感は高い。
最後に値段。装備内容とサイズ感、そして航続距離を考えるとわりとお買い得感のある価格設定となっている。試乗会の時点ではまだ補助金申請中とのことであったが、モデル3と同じ額の補助金が出れば、400万円台から狙うことができる。
万人にオススメできるモデルとは言い難いが、テスラという世界観を味わってみたいならばアリと思える値段感だ。
新しいモデルYは先代同様グローバルで快進撃を続けるのかにも注目したい。



























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