スズキハスラーといえば、だれもが発売当初の大混乱を覚えているはずだ。スズキさえも予想していなかった大ヒットによって大量のバックオーダーを抱え、2014年1月8日に発売されてから、12月25日の時点で累計販売台数10万台に達したと発表されている。
6年ぶりのモデルチェンジとなった新型ハスラーは、果たして先代を超えることができるのか!?
文:石川真禧照/写真:中里慎一郎、池之平昌信
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6年ぶりのフルモデルチェンジ
6年前に発表されたスズキハスラーは軽ワゴンタイプの乗用車とSUV(多目的スポーツ車)を融合させた全く新しいジャンルの軽クロスオーバーカーとして注目を集めた。
その人気はスズキのクルマの中でも、スペーシア、ワゴンRに次ぐほど。最近ではスズキの3本柱になるほどに成長している。
そのハスラーが2019年12月24日にフルチェンジし、発表された。なぜ月日まで書いたかというと、ちょうど6年前の同じ日に初代ハスラーが発表になったから。ただし発売は今回も年を越え、1月に入ってからだった。
新型ハスラーは先代からのスタイリングを受け継いでいるものの、骨格は新世代プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」と名付けられた軽量、高剛性な骨格を採用
パワーユニットもNAエンジンは1気筒あたり2つのインジェクターを装着し、EGRもクールドタイプを採用するなど新設計のニュータイプを搭載した。
さらに安全装備も夜間の歩行者も検知する「デュアルカメラブレーキサポート」を加え、「後退時ブレーキサポート」を標準装備にするなど充実させている。
新型はマイルドハイブリッド採用
試乗は新エンジンを搭載した「ハイブリッドX 2WD」から。ハスラーは全モデルにハイブリッドユニットを採用している。
このユニットはモーター機能付発電機で、減速時のエネルギーを利用して発電し、バッテリーに充電。その電力を生かして加速時などにモーターを動かし、エンジンをアシストするというマイルドハイブリッド方式だ。
走り出して気付くのはハンドリングのしっかり感とエンジンのトルク感の太さ。
タイヤは15インチのエコ系タイヤだが、街中から高速域まで直進性の安定感は先代をはるかに越えている。カーブではやや重めの操舵感がスポーツSUVの感覚を味わせてくれる。新しいプラットフォームと長くなったホイールベースの効果だ。
この操安性のよさをさらに凌ぐのが新エンジン+CVTだ。トルクは1500回転から体感でき、2500回転から上はかなりスポーティな運転ができる。他の軽自動車にありがちなNAエンジンの非力感が少ないのだ。
燃費は主に街中だけだったので15km /L前後で、カタログ値の25.0km/L(WLTCモード)には及ぼなかったが、高速走行や郊外路ではもっと伸びるはずだ。
2台目は「ハイブリッドXターボ 4WD」。シリーズの中で最高価格(174万6800円)のモデルだ。ターボエンジンは先代からのキャリーオーバー。
インパネシフトのATレバーをDにセレクト。こちらはMモード+パドルシフト付だ。パワーモードも用意されている。
スタートから軽い。NAモデルと比較すると車重は60kg重いが、15ps、40Nm(4.1kgm)のパワー/トルクの差は大きい。さらにパドルシフトを使えば、交通の流れをリードすることも可能だ。
エンジン音は3000回転を越えると高まるが、Dレンジ100いkm/h巡行は2500回転なので、クルマも乗員もストレスは少ない。先代よりもオンロード志向を高めたセッティングもロングドライブ向きだ。
ちなみに最低地上高は180mmで、これは2WD/4WDとも同数値だ。
室内は30mm延びたホイールベースと1680mmの全高で前後席とも身長170cmクラスがゆったりと座れる。シートアレンジもさらに使いやすく進化している。
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