低価格だったのになんで!? ダイハツ ブーンルミナスはなぜ伸び悩んだのか

低価格だったのになんで!? ダイハツ ブーンルミナスはなぜ伸び悩んだのか

 軽自動車やコンパクトで知られるダイハツのラインナップの中で、現在のところ最後の3列シート車となっているのが、2008年から2012年まで販売されていたブーンルミナスというモデルとなっている。同社のコンパクトカーであったブーンをベースとして7人が座れる3列シートレイアウトを持っていたのだが、さまざまな要因が重なって販売が伸び悩むモデルとなってしまったのだ。

文:小鮒 康一/画像:ベストカーweb編集部

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低価格で使いやすい3列シートコンパクトカーだったブーンルミナス

ダイハツ ブーンルミナス。運転のしやすさはブーン譲りで、メインターゲットに据えた“子育て女性”にピッタリのものとなっていた
ダイハツ ブーンルミナス。運転のしやすさはブーン譲りで、メインターゲットに据えた“子育て女性”にピッタリのものとなっていた

 2008年12月に発売となったブーンルミナスは、コンパクトカーのブーンをベースとしながらもホイールベースを310mm、全長を580mm延長し、全幅も20mm拡大することで7人分の室内空間を確保。

 それに伴って発生した重量増に対応するため、ブーンでは1.0L/1.3Lとなっていたエンジンを1.5Lへ大型化することでパワー不足も補っていた。

 ボディサイズは拡大されていたがそれでも5ナンバーサイズに収まっており、運転のしやすさはブーン譲りで、メインターゲットに据えた“子育て女性”にピッタリのものとなっていた。

 使い勝手の面でも良く考えられており、3列目がフラットに格納できるのはもちろん、2列目も簡単な操作でフラットに倒すことができ、最大荷室長は1810mmと大人が余裕で寝転がることができるほどのスペースを生み出すこともできるようになっていたのも美点。

 それでありながら、車両本体価格が153.5万円からと、1.5Lクラスの3列シート車としてはグッと低価格に抑えられていたが、VSC(車両安定性制御)やSRSサイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグをオプションで選ぶことができるなど、ユーザーに合わせた装備を選べるようになっていた。

 そしてベースのブーンと同じくトヨタへOEM供給がなされ、パッソセッテとしてシエンタの後継車種として販売されるなど、盤石の布陣かと思われていた。

 しかし、低価格ゆえにスライドドアではなくヒンジドアであったことやハイブリッドモデルがなかったこと、低めの全高であったことなどがライバルのフリードに劣っていると判断されてしまった。

 さらにブーンルミナスが登場してからおよそ半年後にスタートした“エコカー減税”に対応できなかったことで最大の特徴である割安感も失われ、販売面では大きく苦戦を強いられることとなり、トヨタに至っては一度終売をしたシエンタを復活させるまでになってしまったのだった。

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