工場の閉鎖や人員削減など、再生へ向けて大ナタを振るう日産が、再起への道を歩む新たな長期ビジョンを発表した。クルマの知能化のほか、パワートレーンの拡充など見逃せない内容が並ぶ。日産が目指している未来の姿をお伝えする。
※本稿は2026年4月のものです
文:ベストカー編集部/写真:日産、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年5月26日号
ユーザーの体験を最優先に日産の進むべき道を定める
●日産の新たな長期ビジョン
・将来的に90%のモデルにAIドライブ技術を搭載
・パワートレーンの選択肢を拡充しながら、商品ポートフォリオを45車種に最適化
・日本、米国、中国をリード市場とするグローバル市場戦略を導入
・新型「エクストレイル/ローグe-POWER」と「ジュークEV」を初公開
2026年4月14日、日産は「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」をスローガンとする長期ビジョンを発表した。
このビジョンのもと、日産はAIドライブ技術とAIパートナー技術を組み合わせたAIディファインドビークル(AIDV)を中核とし、移動そのものを進化させ、移動の時間をより価値の高い体験とすることを目指す。
また日産はAIドライブ技術搭載モデルを、長期的にラインナップの約9割まで拡大することを目指し、2026年夏登場のエルグランドには2027年度末までに、エンド・ツー・エンドの自動運転技術を実現する次世代プロパイロットが導入される。
モデル数の絞り込みと開発スピードの向上
新しい商品戦略では「開発スピードの向上」と「各モデルの役割の明確化」が主軸となる。
モデル数を56から45へ絞り込むと同時に、低収益モデルからの撤退、成長分野への投資を強化する。また、車種ごとのパワートレーンのバリエーションを増やし、ユーザーの選択肢を広げ、モデルあたりの販売台数増加を狙う。
電動化の中核はe-POWERとするが、フレーム車用にはハイブリッドシステムを開発する。そのほかパートナーシップを通じてPHEVやレンジエクステンダーも提供する。
車両開発は「ファミリー」と呼ぶ商品群を、モデルごとではなく複数の車両の開発を並行して行うことで、開発期間の短縮を狙う。
シャシーなどの外に見えない部分や、運転支援機能などを商品群ごとに共通化することで、市場投入までの期間を50カ月から最短30カ月にまで縮めるという。
【画像ギャラリー】新型スカイラインもチラ見せ!! エクストレイルe-POWERとジュークEVを一挙公開(14枚)画像ギャラリー役割に応じて4つのカテゴリーに分類
モデルごとの役割を明確化するため、各モデルは役割に応じて4つのカテゴリーに分類される。
日産らしさを体現し、ブランドの情緒的価値と革新性を担う「ハートビートモデル」、グローバルで規模と安定性により事業を支える「コアモデル」、新たな需要の拡大を狙う「成長モデル」、協業を通じて市場網羅率を拡げる「パートナーモデル」の4つだ。
発表会場となった日産グローバル本社ギャラリーでは、メイン会場の壇上にグローバルのコアモデルとなる新型エクストレイル/ローグe-POWERと、欧州市場でのコアモデルとなるジュークEVが置かれた。
またティザー画像での紹介となったが、米国におけるハートビートモデルであるエクステラ、そして日本市場のハートビートモデルとなる新型スカイラインも登場し、カテゴリーごとの役割をイメージさせる一助を担っていた。
そのほか日本、米国、中国市場を、業績を支える基盤であると同時に、競争力や事業基盤をグローバルにけん引する、リード市場と位置づける市場戦略の再構築も発表された。
これらのリード市場が一体となることで、イノベーションの展開力向上、需要に応じた供給の確保、スピードやコスト、そしてユーザーへの訴求力の面で競争力を強化するという。
再起への道を力強く歩む日産。今後の動向に注目だ。

















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