プロと同じように手洗いしているのに仕上がりがパッとしない……。そんな経験ありませんか? 今回はプロの洗車と自宅洗車の違いについて、工程ごとにその理由を紐解きます。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:写真AC
いきなりシャンプーはご法度! 流水でボディを冷ましつつ砂やホコリを流そう
大切なのが最初の予備洗いの工程。プロはまずこの段階で高圧洗浄機により砂やホコリをできるだけ洗い流す。これがないと、細かな砂粒がボディに残り、スポンジやクロスでなぞるたびに洗車キズの原因となる。家庭では高圧洗浄機の使用が難しいが、時間をかけてたっぷりの水をかけよう。
とくに夏場はボディが熱を持っており、シャンプーが乾いてしまうと汚れが焼きついてしまうことも。ボディを冷ます意味でもいきなりシャンプーで洗い始めないように注意しよう。洗車タイミングのおすすめは、曇りの日の朝や夕方。日差しの弱い時間帯が最高の洗車タイミングだろう。
プロは専用のフォームガンでクルマ全体に細かく濃密な泡を吹きつける。この泡が、ボディとスポンジの摩擦を最小限に抑えてくれる。最近では家庭用の手頃なフォームガンが増加。細かい泡は流れ落ちにくく、従来のバケツとスポンジの組み合わせに比べて短時間で洗車ができる。筆者も自身で洗車を行う際には欠かせないアイテムとなった。
水シミを防ぐカギは純水にあり!
洗車の仕上がりを最も左右するのが”すすぎ”。プロの現場では水道水ではなく純水を使用するのが主流となっている。純水とは、カルシウムやマグネシウムといったミネラルを取り除いた水のこと。これらの成分が乾いてしまうと白い水シミの原因になるため、純水を使うことでクリアな仕上がりになる。
家庭で純水を用意するのは簡単ではないが、近年では純水を使用できるコイン洗車場も増加中。仕上がりにこだわりたい方は、ぜひ活用してみてはいかがだろうか。
なお、水道水で洗車する場合は、水滴が乾く前に迅速に拭き上げることが鉄則。特にバンパーやグリルはタイミングを逃すと、一気に水シミの地雷原になってしまうので気を付けたい。
最後の1滴まで除去するエアブローによる仕上げ
ドアミラーの下やモールの隙間から、水がポタリ。そんな後から垂れてくる水滴が、また水シミに。この悩みを解決するのが、プロが行うエアブロー。近年では家庭でも使えるハンディタイプのブロワーが登場しており、これを使えば細かな隙間の水分も一気に吹き飛ばせる。拭き残しゼロの仕上がりは、洗車の満足度を格段に高めてくれるだろう。
プロのような洗車を目指すには、必ずしも特別な技術が必要というわけではない。知識をもって道具を選び、手間を惜しまない。それだけで自宅の手洗い洗車も驚くほどの仕上がりに近づくだろう。ワンランク上の洗車の参考になれば幸いだ。






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