まもなく、マツダの主力SUVとして支持を集めてきたCX-5が新型へと進化します。ボディ拡大による後席空間の改善やインフォテインメントの刷新など、日常での使い勝手を重視したアップデートが中心で、その完成度の高さに注目が集まっていますが、一方で、大きな方向転換をせずに進化した点は、「本当にこれでいいのか?」と感じる人がいるのも事実でしょう。新型CX-5の変更点を整理しつつ、ライバルとの比較からその立ち位置を確認していきます。
文:吉川賢一/写真:MAZDA
【画像ギャラリー】いよいよ2026年登場!! 「いい!!」と評判のマツダの大黒柱「新型CX-5」(11枚)画像ギャラリー後席空間を大幅改善 「使うSUV」として着実に進化した新型CX-5
マツダの大黒柱ともいえるミドルクラスSUVの「CX-5」。新型では、大ヒットした従来型のキャラクターを大切にしつつ、ユーザーからの要望が多かった部分を着実に磨き上げてきました。
ボディサイズは全長4690mm、全幅1860mm、全高1695mmへと、従来型よりも、全長が115mm、全幅は15mm、全高も5mm、それぞれ拡大されました。ホイールベースも2815mmと115mm延長されています。
ひと回り大きくなった印象ですが、このサイズアップの主な目的は後席空間の改善です。とくに足元スペースは現行型比で64mm拡大され、これまで「足元が狭い」と指摘されることもあった後席の居住性は、大きく向上しています。
さらに、後席ドアの開口幅拡大や開口角を80度まで広げた設計により、乗り降りのしやすさも改善されました。ファミリーユースや日常使いを強く意識した進化といえます。
エクステリアは、現行型で評価の高かったロングノーズのシルエットを踏襲しつつ、デイタイムランニングライトやテールランプの造形を刷新。フロントおよびリヤのエンブレムは「MAZDA」ロゴへと変更され、よりグローバルモデルらしいディテールが与えられています。
インテリアでは、10.3インチのフル液晶メーターディスプレイを標準装備。さらに、最大15.6インチの大型タッチパネルディスプレイを設定し、Google搭載インフォテインメントに対応するなど、先進性と利便性の両立が図られています。
パワートレインは、まず2.5Lガソリンエンジンに小型モーターを組み合わせたマイルドハイブリッドから導入され、2027年にはストロングハイブリッドモデルの投入も予定されています。欧州市場ではすでに販売が開始されており、日本市場へは今年2026年の春頃とされています。マツダの主力SUVとして、新型CX-5は、実用性と商品力を着実に底上げし、新しい一歩を踏み出したといえます。
「あまり変わっていない?」 新型CX-5が「変えなかった」理由
このように着実な進化を遂げた新型CX-5ですが、見た目の変化が控えめなことから、「よく見比べないと違いが分からない」という声が聞かれるのも事実です。ただCX-5は、これまでも大きく変えてくるタイプのモデルではなく、従来型が2017年に登場した際も、その後のマイナーチェンジ時にも、同様の声が挙がっていました。
CX-5は、そのスポーティで都会的なデザイン、クラス感を超えた内装の質感、そしてドライバーの意思に忠実に応える人馬一体の走りが魅力のモデルです。これらの価値を、CX-5はこれまで一貫して磨き続けながらモデルを重ねてきており、さらに今回の新型では、後席空間の改善や乗降性の向上、ディスプレイの大型化など、ユーザーからの要望が多かったポイントを的確に手当てしてきました。従来の主力であったディーゼルエンジンを廃止し、ストロングハイブリッドの投入を予定するなど、時代に合わせた変化も取り入れています。
一方で、上級モデルであるCX-60との明確な棲み分けを意識し、サイズやキャラクターを大きく変えすぎることは避けています。価格帯もCX-60以下に収まる可能性が高く、「ちょうどいい本命」というポジションを維持しようとした姿勢がみてとれます。
派手な変化はありませんが、マツダはなぜCX-5が支持され続けてきたのかを見極めたうえで、必要な部分だけを確実に改良してきました。「変えないこと」を選んだ判断は、決して容易なものではなかったはずです。この選択が正しかったのかどうかは、価格設定やグレード構成といった、まだ明らかになっていない要素に左右される部分ですし、最終的には市場の評価が示すことになりますが、「変えない」という選択に至った理由自体は、十分に筋の通ったものだと筆者は考えています。














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