2025年前半も、さまざまな自動車関連ニュースが飛び交ったが、2021年に広げた風呂敷を2025年に一旦畳んだメーカーがある。ホンダは「2040年までに全車をBEV化し、エンジン全廃」という方針を軌道修正。最適な道に戻ってきた!?
※本稿は2025年6月のものです
文:井元康一郎/写真:ホンダ
初出:『ベストカー』2025年7月26日号
ホンダ内部では「ハイブリッド回帰」歓迎の声も!?
ホンダは2025年5月20日、電動化戦略の見直しを発表した。
ホンダの三部敏宏社長は5月、ハイブリッドカーのラインナップを強化する方針であると表明した。2040年までに全車BEV化を完了させ、エンジン全廃という方針を事実上軌道修正した格好だ。
三部社長が100%BEV化宣言を行ったのは2021年の社長就任時だが、実現性に関しては内外から疑問視されていた。
ホンダはトヨタの2年遅れの1999年にハイブリッドカーの量産に乗り出したメーカーで、電動化技術に関しては一定の評価を得ている。
が、フル電動化を実現するには世界各国を動かして政策や規制、規格を主導できなければならない。そういう渉外分野はホンダの苦手とするところで、リードする立場には回れないとみられていたのだ。
ただ、軌道修正の素早いホンダのこと。現実回帰は比較的スムーズに行くだろう。今後はハイブリッドとフル電動化の二正面作戦になるが、ここ数年難しいフル電動化にチャレンジしてきた経験は無駄にはならない。三部社長の次の一手が注目される。

















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