日本では2019年夏をもって販売が終了してしまった三菱の本格SUVパジェロ。しかし終売から未だに復活を望む声は少なくないうえに、未だに三菱=パジェロというイメージを持っている人も多いだろう。ではなぜ、パジェロは多くのファンの心をいまもつかみ続けているのだろうか?
文:小鮒 康一/画像:三菱
【画像ギャラリー】ダカールラリーの雄姿でココロを打たれた人多数!? 歴代パジェロを一挙プレイバック!(31枚)画像ギャラリーRVブームに乗って人気を獲得したパジェロ
三菱の本格的な4WDモデルは、ウイリス社からノックダウン生産を行い、当時の警察予備隊(現在の陸上自衛隊)にも供給され、その後は独自の改良を行いながら1950年代から2000年に入るまで販売が続けられていた「三菱ジープ」が存在していた。
しかし、さすがに旧態依然となり過ぎてしまったため、その後継車種として1982年に登場したのが初代パジェロだった。
そのため、初代パジェロはどちらかというと質実剛健な本格4WDモデルとなっており、ピックアップトラックであるフォルテのシャシーを採用する商用登録車として登場した。
ただデビュー翌年には5ナンバーの乗用モデルが登場し、5ドアのロングボディも追加されるなど、当時の徐々に人気が増していくRVブーム前夜だった影響もあって人気車種となったのだ。
そしてRVブームが本格化した1991年には2代目へフルモデルチェンジを果たし、高い走破性はそのままにオンロードでの快適性なども向上。パートタイム4WDとフルタイム4WDの美点を兼ね備えた「スーパーセレクト4WD」を世界で初めて搭載するといったエポックメイキングな要素もあわせ持っていた。
パジェロといえばやっぱりパリダカ!
その後、1999年に登場した3代目はラダーフレームからビルトインラダーフレームを備えたモノコックボディへと変更。オフロード性能を担保したままオンロードでの快適性をさらに高め、それまでラインナップされていた商用モデルを廃止してより上級移行を果たした。
2006年に登場した4代目も3代目のキャラクターを受け継ぎながらより進化し、モデル途中でクリーンディーゼルモデルを追加するなど、時代に即した変更もなされていた。
このように三菱らしさを凝縮した本格的な四輪駆動車であるという点もパジェロの人気のひとつであるが、大きく影響しているのはやはり「パリダカ」に代表されるモータースポーツでの活躍だろう。
初代からダカールラリーに参戦し続けていたパジェロは、各部門での数え切れない優勝はもちろんのこと12回もの総合優勝を獲得しており、パジェロ=ラリーに強いというイメージが強烈に残っているハズだ。
ランクルやサファリなども高い走破性を兼ね備えていることは間違いないが、パジェロほどモータースポーツのイメージはなく、その違いこそが多くのユーザーの心にパジェロの名前を刻む一番の理由と言えるだろう。

































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