ゼッタイ必要なのになんで!?　セルフ式給油の正しい給油方法はどこで習う!?!?

　クルマに関するイロハを教わるのが、自動車教習所。教習所へ通うことで、運転技能はもちろんですが、交通ルールにクルマの簡単な整備や点検などを覚えることができます。しかしながら、セルフ式給油のやり方に付いては、自動車教習所で教えてくれないというのです。これは一体なぜなのか！　卒業してから絶対使うんだから、教えてくれてもいいじゃないの！

文：佐々木 亘／画像：Adobe Stock（メイン画像＝beeboys）

多くの人が習いたいはず！　今だからこそセルフ給油の仕方は必修にせよ

　今やほとんどの給油所がセルフ式。慣れたドライバーなら何のことは無く給油が終わりますが、初めてセルフ給油を行う時には結構緊張感があるものです。危険物を扱う場面ですし、ミスをしたらクルマがダメになるというリスクもあります。

　実際に2022年10月の1か月間、JAFが燃料の入れ間違いで救援に出動したのは105件にも上りました。このうち、ガソリン車に軽油を給油したのが全国で57件（59％）、ディーゼル車にガソリンを給油したものが39件（41％）となっています。

　間違いが起きた理由としては、レンタカーを借りて普段と違うクルマに乗っていたためや、軽自動車だから軽油を入れたという免許保有も少し考え直した方がいいような理由も数多くありました。

　このように誤った油種を給油する事態は、全国各地で現在も発生しています。こうしたミスを無くすためにも、自動車教習所で給油方法を学ぶことが、重要になってくると筆者は思うのです。

カリキュラムに無いから教えないでは通用しなくなってきている

　自動車教習所では、カリキュラムに従って学科や技能の講習を受け、自動車運転に関する知識や技能を身につけた上で教習所を卒業します。その後、運転免許センターなどでの本試験を受けて合格すると、自動車運転免許を保有することができる仕組みというのは、皆さんご存知の通りです。

　しかしながら、クルマの基礎根幹を教わるはずの自動車教習所では、燃料の給油方法を詳しく教わる機会がありません。これはなぜなのか、実際にいくつかの自動車教習所へ話を聞いてみると、以下のような回答がありました。

　「燃料の種類や給油という行為の必要性などを教える機会はありますが、実際にガソリンスタンドへ行って給油することが指導要領にはありません。そのため、技能講習で給油作業を行うことはほとんどないのが現状です。給油に関連する項目としては、車両点検時に給油口の開け方をレクチャーする程度です。」

　現在、ガソリンスタンド全体におけるセルフ式給油所の割合は、4割程度。販売量全体で見れば、実に8割近くがセルフ式スタンドで給油されています。つまり、クルマに乗る上でセルフ式スタンドを避けて通ることはできないのです。教習所の必修科目として、セルフ式給油が盛り込まれるべきだと筆者は考えます。

　時代に合わせてカリキュラムを変えていく、こうした柔軟な対応が日本の自動車教習所には必要なのではないでしょうか。

改めて給油方法を確認!! 

　セルフ式給油の方法を改めて確認していきます。

　まずはガソリンスタンドの給油コーナーへクルマを停め、エンジンを停止しましょう。車内にある給油口のオープンレバーを引き（ボタンを押し）、給油機のタッチパネルを操作し、支払方法・油種・給油量を指定して、静電気除去シートへ触れてから、クルマの給油口キャップを開けます。

　ここからが実際の給油です。選択した油種のノズル（ハイオク・黄色、レギュラー・赤、軽油・緑）を手にとって、クルマの給油口の奥まで深く差し込んだら、給油が止まるまでしっかりとノズルレバーをしっかりと引き続けます。満タンもしくは既定の給油量になると「ガチン」と音がして給油が止まるので、ノズルを戻し、給油口のキャップを閉め、給油口を閉めたら給油は完了です。

　ちなみに、自分のクルマの左右どちらに給油口があるかが分からない時には、ガソリンメーターを見ると、給油口の向きが分かります。給油機のマークの近くに三角形のマークがありますが、この三角形が向いている方向に給油口があるのです。レンタカーなど、乗り慣れないクルマを使っているときにも役立つはず。

　自動車教習所へ取材を続けると、運転免許取得カリキュラムでは教わることのないセルフ式給油の方法ですが、ペーパードライバー講習で教えている教習所をいくつか確認することが出来ました。

　ペーパードライバー講習だけでなく、免許取得の本カリキュラムでの習得が必須級のセルフ式給油方法。クルマや自動車を取り巻く環境は日々進化を続けています。教習所も、常にアップデートを行い、時代に合わせた知識や技能を、受講生にしっかりと身につけてさせてほしいものです。