日本でも実用化が迫ってきた次世代ADAS(先進運転支援システム)。2027年頃を目指して各社が腕を磨く中、トヨタも、RAV4に初搭載した車載OS「アリーン」を活用した新技術の実装を目指している。データ更新によってどんどん賢くアップデートでいったいどんなもの?
文:国沢光宏/写真:池之平昌信
【画像ギャラリー】ドライバーに状況解説も行うトヨタの次世代技術を見て!(5枚)画像ギャラリー2027年あたりから高機能ADASが続々登場!
トヨタがJMS(ジャパンモビリティショー)で「事故を起こさないための技術」をいくつか発表する。内容といえば相当難解&複雑だったりする。おそらくメディアの多くは正確に伝えられないんじゃなかろうか。逆にすぐ販売出来る技術じゃないため、知らなくても問題ないです。
以下、日常的にベストカーWebを読んでいる人でなければ理解出来ないようなレベル向けの解説をしてみたいと思う。
まず2027年あたりから、日本でも中国で実用化されているAIを使う高機能ADASが続々と登場してくる。中国はすでに『モメンタ』に代表されるスタートアップが自動車メーカー向けに”ほぼ”自動運転可能なプラットホームを販売中。中国で販売を開始した日産N7やトヨタbZ3Xに実装されており、北京や上海の市街地すら目的地を設定するだけでハンズフリー走行可能である。
先日公開された日産の『次世代プロパイロット』はモメンタと同レベルの能力を持っていて、2027年度に発売された時点で、ナビ画面に目的地を設定したらハンズフリーになる。ただ運転の主体はドライバーであり、自動運転じゃなく高機能なADAS(運転支援)という位置づけ。同じようなレベルの高機能ADASは、ホンダ、トヨタ、スバルも2027年までに実装される。
ドライバーへの状況解説も行う
さて。今回トヨタがJMSでお披露目する技術は、高機能ADASをベースにしたものになる。1つは「合流技術」。高速道路の本線に合流したり、工事で車線規制されているような時の合流する制御、なかなか難しい。高機能ADASであれば限りなく100%に近い成功率で合流出来るものの、100%とならない。最悪の場合、急停車しなければならないこともある。
トヨタは航空機の官制のような技術を開発している。クルマからの情報(GPSやカメラ、レーダーからの情報や他の車両の位置など)をAIが管理する「管制官」に送る。AIは他車との間隔を考え、流入しようとする車両の速度を総合的に管理する。走行車線を走っている車両も同じシステムが付いていれば、さらに精密な管制が可能。100%の成功率を目指す。
はたまた強引に割り込んでくる車両あれば高機能ADASで減速。イラッとするドライバーが驚いたり感情的になることを防ぐため、やさしい声質で今起きていることの「解説」をしてくれる。左折時に横断歩道を渡ってくる歩行者いたら、高機能ADASで減速。これまたドライバーに対し「解説」する。こういった危険を先読みする情報を出すことで快適なドライブ環境を整える。
ただ子供などが交差点に飛び出してくるような事象は「信号機などに取り付けられたカメラ等の情報をクルマに送る」という、国交省が推進しているITS(高度道路交通システム)のようなインフラを必要とする。これ、トヨタだけじゃ無理だし、ITSを見て解る通り全国の信号機や交差点にカメラなど必要になるため実現は難しいと考えます。やはりクルマはスタンドアローンです。







コメント
コメントの使い方>交通事故なんか起きない自動車社会 素晴らしい!
交通事故がゼロで無くても、劇的減少をすればそれで素晴らしい。自動車保険も劇的に安く成る。社会的にもクルマユーザー的にもメリットだらけ。保険会社が儲からないとボヤくだけ。
先ずは通勤路走行学習機能を持たせ、特定の目的地を複数自動運転出来る様にして欲しい。車線数、交差点、合流、踏切…など運転者がシステムが自動認識出来ない情報を登録する機能です
アイデア先行してても、実車走らせなきゃ商売にならんでしょ。
製品出来上がってからニュースにしてくれ。