モータースポーツで華々しい実績を誇るTOM’Sが、トヨタのサブスクサービスであるKINTOとコラボしてコンプリートカーのレンタルサービスを開始した。多くの人にとって高嶺の花だったチューンドカーが、グッと身近な存在になる!?
※本稿は2025年11月のものです
文:梅木智晴(ベストカー編集委員)/写真:奥隅圭之
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
あのトムスのチューンドに乗れる!!
トムスコンプリートカーをレンタカーで楽しめる。そんな、クルマ好きにとって夢のような話が実際に始まった。
トヨタのサブスク「KINTO」が積極的に進めるスポーツカー、さらにモータースポーツを体感できるサブスクサービスが「MOSKIN」。KINTOとトムスがコラボしてスタートしたのが、トムスコンプリートカーのレンタルサービスなのだ。
今のところレンタルサービスは東京お台場にオープンしたトムス東京ショールームを起点とするのみだが、今後は幅広く展開していく狙いもあるというから楽しみだ。
レンタル対象車はGR86、GRヤリス、GRスープラの3車。いずれもリースアップしたKINTOのサブスク車がベースで、コンディションのいい車両をセレクトしてトムスがコンプリートカーに仕上げた車両となる。
「正確に言うと、トムスコンプリートカーのエッセンスを詰め込んで、その味わいを楽しんでいただけるように、レンタルサービス車にふさわしいようにチューニングした仕様です」と、この企画を統括するトムス自動車事業本部ビジネスソリューション事業部の鈴木一生氏は説明する。
「トムスのコンプリートカーはそのままサーキット走行を楽しんでいただける足回りやブレーキなどに仕上げています。ただ、その仕様のままでレンタルサービス用車両とすると、ちょっとハードすぎて、本来味わっていただきたいトムスコンプリートカーのテイストが伝わらないと考えたためです」と鈴木氏は続ける。
具体的には、各車ともにブレーキパッドをストリートユースに最適化した初期性動力の立ち上がりがシャープなスポーツパッドに変更。車高調整式サスペンションはそのままだが、バネやダンパーのセッティングをストリートでの乗り心地とスポーティな操安性をバランスさせたものとしたという。
オリジナルではフルピロマウントだが、各車最適な状態にピロと硬質ウレタンブッシュを使い分けているのもポイントだ。
タイヤはGRスープラだけがポテンザS007Aを履き、GR86とGRヤリスはポテンザRE-71RSをチョイスする。サイズはいずれもノーマルに対しワイドトレッド化されている。
「トムスのクルマづくりは、まずコンセプトに最適なタイヤをセレクトし、そのタイヤの性能を活かしたシャシーセッティングを詰めていきます」と鈴木氏。GRスープラはGT的な走りを目指したことで、RE-71RSではなく、S007Aがベストマッチと判断した、ということだ。
このあたり、モータースポーツでの深い知見に基づいた、いかにもトムスらしい開発思想だ。






















コメント
コメントの使い方かっこいい。車選びにも最適だし、自分の車のチューン方向性にもいい。本当神システムだと思います。
もっと多くの企業が、車好きは有料でもしっかり試乗をしたいっていう欲求があるのを理解してほしい。