ボートレース界の次世代のホープとして注目されている西田和加さん。自動車免許取得時からMTモデルを乗り継いでいる。西田さんが今回紹介してくれた愛車は、祖父、父と受け継がれる“伝家の宝刀”2代目セリカの「GT RALLY」だ!!
※本稿は2025年11月のものです
文:大山峰雄/写真:山上徳幸/プライベート写真提供:西田和加さん
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
養成所入所10日前に免許取得したが……
実家がガソリンスタンドを経営しており、当たり前のようにクルマに接していた西田さんは、意外にも免許を取るまでクルマには興味がなかった。高校を卒業し、ボートレーサー養成所(福岡県柳川市)への入所も決まり、運転免許を取得。
「家業の関係から取らないという選択肢はなく、MTの一択でした(笑)」
しかし、規則で免許証は養成所に預けることとなる。故郷を遠く離れ、厳しい訓練を一年受け、実家に戻ると「MINIクーパーS」が用意されていた。固めのサスペンションとスーパーチャージャーのついたMT車である。西田さんの祖父が購入しておいてくれたというのだ。
「『家のセリカに乗る前にこれで練習しろ』って。免許を取って運転する間もなく養成所に入ったので、うれしくて、うれしくて」
コロナ禍でほぼ缶詰状態であった養成所生活で、クルマを運転することは卒業後の楽しみだった。
養成所で知り合った同期の根岸真優選手(2024年11月10号出演)の影響もあって、今(取材時)から一年ほど前にマツダ ロードスター(ND)に乗り換えた。
「オープンスポーツに乗ってみたくて。リトラクタブルライトもカッコいい、NAとNDで迷いました。先日、根岸(選手)のNAと二台で秩父の峠へ行ってきました(笑)」
受け継がれるセリカ乗りの遺伝子
今回紹介してくれたセリカは、昭和54年の正月に祖父が26歳の時に購入したものだ。お父さんが引き継ぎ、数年のレストア期間を経て5年前に復活した。現在、走行距離は27万キロ。運転技術も認められ、ようやく半年ほど前から乗ることを許された。
「運転するようになってからセリカの存在感がどんどん増してきました。太い音でステアリングも重いけど、反応がダイレクトで自ら操っている感覚が楽しいです。お父さんを横に乗せて、現在特訓中です(笑)」
クルマの運転とボートの操縦はリンクするところが多いようだ。
「クルマで気付いた感覚をボートに活かしたりすることもあるんです。ボートはセッティングも自分でするので、お父さんから整備を習って、キャブとか調整したいと思っています」
クルマが導く新たな世界
「クルマに乗ってから人との出会いも含め、世界が広がりました。サーキット走行もしたいです」と新たなフィールドへも意欲的だ。
プロアスリートが受ける精神的圧力は計り知れないが、西田選手はクルマに乗ることでリフレッシュできているという。
「何かにつけ、乗ってます。行き先も決めず高速に乗るんです(笑)」
最後に、今後の目標を語ってくれた。
「一年以内にB1級に上がって、将来は女性で争うG1競走のレディースチャンピオンに輝きたいです!」



















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