冬の朝、愛車のドアハンドルに手を伸ばした瞬間に「バチン」とくる静電気は、痛いだけでなく不快感も大きい。実はその原因は空気の乾燥と服の摩擦にある。そこで今回は、冬場に頻発する静電気の仕組みと、面倒なくできる対策法を紹介しよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock、写真AC(トビラ写真)
静電気が冬に起きやすい理由と不快さの正体

寒い季節になると、クルマのドアノブやハンドルに触れた瞬間に「バチン」と静電気が走ることが多くなる。この現象は誰しも経験があるだろう。静電気は、人体と物体の間で電位差が急激に解消される際に起きる放電現象だ。特に乾燥した冬は空気中の水分が少なく、電気が逃げにくいため、体に電気が溜まりやすくなる。
実際、静電気による放電前の人体には3000ボルト以上が帯電していると言われ、これは蛍光灯を光らせるほどの電圧に相当するというから驚きだ。日常的にはドアノブや玄関、コンビニの棚など様々な場所で静電気を感じることがあるが、冬場は特に体が乾燥し、衣服と衣服の摩擦も増えるため静電気が発生しやすくなる。
この静電気、不快なのはもちろんだが、ガソリンスタンドの給油中などでは引火の危険性にもつながる可能性があり、軽視できない問題でもある。
また、実は「帯電しやすい体質」というものはなく、静電気が起きやすい人は、たとえば、ポリエステルのシャツとウールのセーターの重ね着など、静電気が起きやすい組み合わせの服を無意識に選んでいる可能性が高いとのこと。髪の毛の長さや体毛の濃さ、皮膚の乾燥具合などは、若干の個人差は起きるかもしれないが、さほど静電気には影響しないようだ。

手軽にできる静電気対策とは
そんな冬場の静電気対策として、できるだけ手間をかけずにできる方法がいくつかある。まず最も簡単なのが、クルマのドアノブに触れる前に両手の手のひらで地面に触れて放電する方法だ。
広い接触面積で放電することで、いやな「バチン」を防ぐことができる。地面がない場合は近くの塀や木などでも同様の効果が期待できる。
また、クルマに触れる前に金属キーで車体に軽く触れる、手袋を着用する、ハンドクリームなどで肌の乾燥を防ぐといった工夫も静電気の発生を抑えるうえで有効だ。身近な場所でできる簡単な対策を積み重ねることで、「パチン」の不快感をぐっと減らすことができる。
クルマのドアに静電気除去シートを貼っておき、ドアハンドルに触れる前にそこで放電してしまう、というのも手軽でおススメ。
マグネットタイプやシールタイプなどさまざまあるが、シールタイプのものも、簡単に貼り直しができるものがあるので、冬の間だけ貼っておくということもできる。効果のほどはグッズにもよりますが、軽減はされるようだ。
さらに静電気軽減ブレスレットを使う手もある。近年さまざまなデザインのものが登場しており、身に着けるだけで対策ができることから、取り入れやすいアイテムだと思います。選ぶ際に気を付けたいのは、導電性素材がたくさん使われているか、ということと、サイズ調整が可能か、ということ。
導電性素材が少なければ効果は薄くなるし、肌に密着していなければ、そもそも効果を発揮できません。デザインに気を取られがちですが、効果がなければ意味がないので、そのあたりをしっかりチェックして購入してください。
静電気は日常生活の中で避けられない現象だが、ちょっとしたひと手間でそのストレスはかなり軽減できる。冬のドライブを快適に楽しむために、ぜひ紹介した対策を取り入れてほしい。






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