冬でもクルマをきれいに保ちたいのがクルマ好きの性だが、寒い時期の洗車には思わぬ落とし穴が潜んでいる。気温が低い環境では、水や泡が原因で転倒したり、体調を崩したりするリスクも無視できない。冬ならではの注意点を押さえておかないと、洗車が危険な行為になりかねない。今回は寒い冬に洗車をする際に、必ず知っておきたいポイントを整理する。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock、写真AC(トビラ写真)
冬の洗車はなぜ危険? 知らないと怖い落とし穴
冬場の洗車でまず注意すべきなのは、気温の低さそのものだ。気温が低いと、洗車中に飛び散った水が地面に残りやすく、あっという間に凍結する。
足元が凍れば、滑って転倒する危険性が高まる。特に夜間や早朝は気温がさらに下がりやすく、洗車場のコンクリートやアスファルトがスケートリンクのような状態になることもある。一般的に気温がプラス3~4℃程度になると、路面凍結が発生すると言われている。気温がプラスでも路面は0℃から氷点下となるため、凍結する。
また、クルマにかけた水がボディやドア周りで凍結するケースにも注意が必要だ。ドアが開かなくなったり、無理に開けようとしてゴムモールを傷めたりする原因になる。ドアミラーやワイパーが凍り付くこともあり、洗車後すぐに走り出せない状況に陥ることも珍しくない。
さらに見落としがちなのが、洗車をする人自身の体への影響である。冬の屋外で水を使う作業は、想像以上に体温を奪う。
手足がかじかむだけでなく、長時間続けることで体が冷え切り、体調を崩すリスクも高まる。場合によっては低体温症につながる恐れもあり、まさに下手をすれば命取りになりかねない。
水分を拭き上げないとボディが凍結してしまう
では、冬でも安全に洗車をするためには、どのような点に気をつければいいのか。まず基本となるのは、洗車をするタイミングだ。気温が比較的高くなる日中(気温が一番高くなる13時〜日が沈む前の16時の間)を選ぶことで、水の凍結リスクを下げることができる。特に晴れていて風が弱い日は、体感温度も上がりやすく、洗車には適した条件といえる。
服装にも配慮したい。防寒対策をしっかり行い、手袋などを活用して体が冷えすぎないようにすることが重要だ。濡れても冷えにくい素材の手袋を使えば、作業性と安全性の両立がしやすい。無理をせず、寒さを強く感じたら作業を中断する判断も必要である。
洗車後の仕上げも冬ならではのポイントだ。水分をしっかり拭き取らないと、ボディやドア周りに残った水が凍結する原因になる。特にドアの隙間、給油口、ドアミラーの可動部などは念入りに水気を除去したい。最後にエンジンをかけて少し走行し、風を当てて乾かすのも有効な方法だ。
気温がプラスでもクルマのボディやガラスが0℃以下になってしまえば、洗車しようと水をかけた時に水が凍ってしまう可能性がある。かけた瞬間は凍らなくても、水が薄く広がった瞬間に凍ることも多く見られる。そういう意味では、撥水コーティングをしているボディよりも親水コーティングをしているボディのほうが凍りやすいといえる。
ドアミラーに水滴がたくさん付いていて見えない時に親水スプレーをかけると、一瞬にしてガラス面全体が凍り付いてしまうこともあるから注意したい。
ボディにかけた水が凍るレベルの気温では水による洗車そのものが不可能となることが多くなるため、バケツにお湯をくんで洗車できる人は別として、たいていはお湯の出るコイン洗車場を利用するしかない。






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