2025年のジャパンモビリティショーに出展されたBYDの軽BEV「ラッコ」。名前はかわいらしいが、日本の軽自動車市場の脅威となりそうな匂いがプンプンする。はたしてBYD ラッコは日本で売れるのか? 国沢光宏氏が考察する。
※本稿は2025年11月のものです
文:国沢光宏/写真:BYD、ホンダ、日産、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年12月26日号
BYD「ラッコ」は売れるのか?
BYDがJMSに出展した『ラッコ』という電気軽自動車、日本で売れるだろうか? じっくり考えてみたい。
まずラッコのスペックだけれど、発表されている内容はひとつだけ。「電池容量少ないタイプと多いタイプがある」です。
どのくらいの容量かというと、少ないのはSAKURAより少し大きく、ロングレンジがN-ONE e:よりチョイ多いといったイメージか。もちろん燃えないLFP(リン酸鉄リチウム電池)です。
気になる価格だけれど、装備内容を揃えれば小さいほうでN-BOXのNAと同レベル。多いほうがターボと同じレベルをイメージしておけば、大きな差はないと考える。210万円前後と240万円前後でしょう。これより高ければ日本じゃ勝負にならないと思う。
ちなみに定価だからして、補助金を使うと買い得感出てくるかもしれない。
売れるか? クルマの仕上がりと補助金次第で相当イケると予想する。私はシーライオン7を買った。クルマの仕上がりは3倍くらいのネダンを付けている欧州車に勝るとも劣らず。人柱のつもりで買ったら、相当満足している。
日本の軽自動車と同等の仕上がりレベルをクリアしてくると、相当のポテンシャルあります。なんせルーフはレーザー溶接。リアブレーキがディスクですから。ケチっていない。
対する日本勢はスズキの電気軽自動車(ヒンジドアなのでタイプが違う)でなく、ダイハツのフルハイブリッドとの勝負になると思う。
JMSに出展されていたフルハイブリッド、20万円高くらいを想定しているようだ。搭載するの、次期型タントか。ハイブリッドの面白いところはシステム出力が64馬力に迫る可能性あるという点。おそらくターボ車よりキビキビ走ってくれるだろう。
となるとフルハイブリッドは20万円高で燃費抜群によく(5万kmくらい走ると燃費差で20万円になる。下取りに出す時も普通エンジンより高い値が付く)、さらにターボ車並の動力性能ということ。
ラッコとフルハイブリッドの次期型タントを比べたら、日本の消費者は国産車を選ぶような気がする。BYDの場合、売れゆき鈍いと値引き攻勢掛けてくる? 20万円値引きされたら強い!
いずれにしろ何らかの対抗策を考えないとラッコとの戦いは厳しいかもしれない。特に狙い撃ちに遭うN-BOXが苦戦しそう。
前述のとおりBYDはコストダウンより品質の向上を選ぶ。シーライオン7なんかサスペンションアームはすべてアルミ。使っている鉄板やボディ構造材など思い切り凝っている。呑気に構えているメーカーはやっつけられるかもしれない。









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