毎年11月に開催される中国自動車界の一大イベント、広州モーターショー。春の北京/上海モーターショーにはやや及ばないが、近辺に本拠地を構える現地メーカーの注目車が出展される。広州ショーで今後の中国車の動向が見えてくる!?
※本稿は2025年12月のものです
文、写真:加藤ヒロト(中国車研究家)
初出:『ベストカー』2026年1月10日号
広州ショーに異変!? いったい何が
毎年11月恒例の大イベント、広州モーターショーは、毎年4月に交互に開催される北京・上海モーターショーより規模は小さいが、広東省近辺に本拠地を構える現地メーカーや日系合弁の注目車は多い。
だが、2025年の広州モーターショーは、例年よりも縮小している傾向が感じられ、ワールドプレミア車種も多くなかったように感じる。
BYDは既存車種の2026年モデルを発表するくらいだったし、数多くのブランドを持つジーリー(吉利汽車)もブースを縮小、直系ブランドのギャラクシーの新型ミニバンのみが目玉だった。
ほかにも、中国専売SUVを発表したばかりの韓国ヒョンデは出展すらしておらず、相変わらず中国での事業展開には不安を覚える。商用車に関しても、以前の広州モーターショーでは専用の展示ホールがあったが、乗用車のみとなっていた。
日系メーカー・ブランドからは、トヨタ(一汽トヨタ・広汽トヨタ)、日産(東風日産)、ホンダ(広汽ホンダ・東風ホンダ)、マツダ(長安マツダ)、レクサスがブースを構えた。
ワールドプレミアは日産の新型ティアナと中国専売PHEVのN6のみで、ほかは発表ずみ車種に関する続報や詳細を明かす程度であった。
ホンダは4月の上海モーターショー2025で、中国向けスポーツBEVのGTをお披露目していたが、発売を予定より延期、今回は目立った発表はなかった。
新開発の中国専売BEVで勢いを取り戻しているトヨタや日産に対し、ホンダの中国での業績は悪化の一途を辿っており、立て直しが急務ななかでのこの延期はさらなる大打撃となるだろう。
全体の傾向はBEVよりもレンジエクステンダー付きEV(EREV)やPHEVに注力している印象で、新型エンジンの開発競争も激化。
航続距離の不安をなかなか払拭できないBEVは、電池容量を闇雲に増やすより急速充電性能を強化する方向にシフトし、各社は「何分で80%まで充電できるか」をアピールポイントとしている。
また、2~3年前は全長5m級の大型ミニバンを新投入するのが中国メーカーの流行だったが、徐々に同じサイズ感の大型SUVへとシフトしている印象だ。
今回の広州モーターショーでは、新興EVメーカーのリープモーターや東風汽車のヴォヤー、上海汽車のIMなどが新たな大型SUVを発表、パワートレーンはEREVやPHEVが中心となっていた。
室内空間の居住性は当たり前とし、少しでも効率よく走れる電動化技術や、LiDAR搭載でアピールする高度な運転支援機能、そして乗り心地といった快適性で各社は勝負を仕掛ける。
日産 ティアナ(新型)
中国ではアルティマのビッグマイナーチェンジとしてティアナが復活した。エンジンは2LのVCターボ(243ps/37.8kgm)の採用がトピック。内外装を刷新し、左右一体型テールや巨大なセンターディスプレイなど中国の最新トレンドを取り入れる。
















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