誰しも大なり小なり「不安」を感じていることってあると思いますが、やはりトラックドライバーさんも深刻な悩みを抱えている人が多いようです。
そこで今日と明日、2人のドライバーさんに「最近不安に思うことを」を聞いてみました。まずはスクラップトレーラを運転している金爆ママから……。
文/スクラップドライバー金爆ママ、写真/金爆ママ・フルロード編集部
*2025年12月発行トラックマガジン「フルロード」第59号より
仕事が何年も前から縮小気味
仕事関係で最近不安に思うことねえ。ありきたりなことでいえば、私はスクラップトレーラを運転しているので、鉄に関する仕事が何年も前から縮小してきていることですかね。大手の製鉄所も閉鎖され始めたりしています。製品の需要が減ってきているみたいですよ。
昔は外国向け(中国向けが多かった)の船がバンバン来ていて、少しくらいゴミみたいなのが混ざっていてもガンガン運んでいました。それが最近は、外国向けもけっこうな数が減っていますし、ゴミ混じりや異物混入は返品されています。品質向上は国内に限らず、外国向けも厳しくなりました。
それはなぜなんでしょう? 製品自体の需要が減っているのは、建物を解体した後に新しく建て直す必要がなくなっているからと話す人もいます。今は何でもコンピューター化され、AIなるものも出てきましたね。
これまでは大きな工場で作られていたものが、コンピューターやAIがチャチャっとやってしまうので、広い場所で人間の手でつくる必要がなくなっているらしいです。製品をつくらなければ原料を運んでいる私たちスクラップ屋の出番も減りますよね。
そこへもってきて製鉄所・製鋼所が予約制になっていつでも走れるわけではなくなりましたので、仕事量としては減っているように感じます。もう人間の手は必要なくなる時代になるんですかね? ま、それまで私は生きていないでしょうけど、若い人たちはどうなるんですかねえ。
ドライバーの高齢化も心配です
若い人といえば、スクラップ業界の高齢化も心配です。先日、製鉄所に行ったときに、降ろし場ヤードに数台のトレーラが停まっていて、最初に降りてきたのは金髪のお爺ちゃんでした。次に降りてきたのは真っ白頭のお爺ちゃんでした。
「あれ? 爺ちゃんばっかりやな」と思いましたが、その次に降りた私もお婆ちゃんですので、「こりゃあ、どうも」って感じですね。
以前勤めていた会社では最年長は77歳でした。定年のない会社でしたが、何歳まで働かせるんでしょうか? いつも仲良くしてくれている運転手も、「今年で70だよ」と言っていました。いや、皆さんお元気なんですよ。あの年代の方たちって、なんであんなに元気なんですか? とてもじゃないけど真似できませんよ!
しかし、これだけ老人ホーム化していて会社は不安にならないのでしょうか。元気とはいっても年齢なりの病気はしているし、薬も飲んでいますけど。若い人が入ってこないから仕方ないといえばそうなんですよね。会社も好きで老人ばかり集めているわけではないでしょうから。
以前にも書いたけど、大型免許にとうとう「オートマ限定」ができましたね。免許だけ緩くなっても「トラック運転手になりたい!」と思ってくれなければ若い人材は増えません。トラックに乗ってみたいとか、運転手になりたいと思えるような仕事にしていかないといけませんよね。
働き方改革だのなんだので、昔よりはマシになりました。毎日家に帰れるようになったのが一番良いですよ。
少しずつでも良くなってきているし、免許も楽になってきたし、若い人たちが増えてくれたら年寄りも安心でき……、あ~、待ってくださいよ。その頃には自動運転になり、無人で走るトラックとかになってないですよね? 年寄りは安心できないですよ。もう不安しかありません。心を持たない機械に任せちゃって大丈夫だろうか? いや、年寄りはこれだからダメです。不安なんて考えたらいろいろ出てきます。

