前年同期比で大きく販売数を伸ばしたクルマに人気の理由があるように、逆に販売数を落としたクルマにも急落の理由がある。2025年の販売台数を前年の同期と比較し、販売数を落としたクルマの下落の理由を渡辺陽一郎氏が読み解く!!
※本稿は2025年12月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:ホンダ、日産、トヨタ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年1月26日号
※販売台数は2025年、2024年ともに1〜11月の数字
前年同期比減のそれぞれの理由
売れゆきを下げた車種で気になるのが、対前年比49%のZR-Vだ。発売は2023年4月で、9月までは月販平均登録台数が3000台を超えたが、10月以降は2000台少々に落ち込み、2025年4月以降は2000台を下まわった。
ZR-V、走りは優れているが外観が小さく見えて割高感が伴う。しかも2024年4月に同じホンダのコンパクトなヴェゼルが改良を受け、アウトドア感覚のハントパッケージを割安に設定するなど魅力を強めた。ヴェゼルの車内の広さはZR-Vと同等なので、多くのユーザーはヴェゼルを選ぶ。
クラウンスポーツも対前年比が59%だ。2023年10月に登場して2024年には月販平均約3000台を登録したが、2025年4月以降は1500台前後に減った。
販売店からは「クラウンスポーツを目当てに来店したお客様が、ゴルフバックの収納性など荷室に不満を感じてハリアーを選ぶことがある」という話も聞かれる。
また、クラウンスポーツには前述のハリアー、クラウンエステートなど同じトヨタのライバル車が多く、身内との競争も激しい。
エクストレイルの登録台数は前年の62%だ。2022年7月に登場して2023年には月販平均2261台を登録した。2024年には改良などにより2737台に増えたが、2025年は1715台に急落。
2025年にニスモやロッククリークの追加など商品力を強化したが、その効果はこれからに期待だ。e-POWERのみの設定で売れ筋価格帯が430万~600万円と上級SUVのハリアーと重複する。
以上のようにSUVは人気のカテゴリーだが、販売の伸び悩む車種もある。
コンパクトカーでは、ノートオーラの対前年比が66%だ。ノートは手堅い法人需要などに支えられて85%だが、上級のオーラは落ち込む。ちなみに2025年1~11月の日産の小型/普通車登録台数は、前年同期と比べて17%減った。その結果、国内で販売された日産車の41%が軽自動車だ。
ホンダもZR-Vに加えて、フィットが68%に留まる。現行型は2020年の発売で、2022年の月販平均は5022台だが、2023年は4752台に減り、2024年は5296台に増えたが、2025年は3616台まで急減した。
ホンダでは軽自動車の国内販売比率が45%に達して、フリードも堅調だ。ブランドイメージが「小さくて背の高い実用車のメーカー」になり、フィットはフロントマスクも不評で苦戦している。2026年には規模の大きな改良を実施するだろう。
























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