東西と南を海に囲まれた伊豆半島の魅力を堪能するべく、オーシャンビューが望める海沿いの道になるべく寄せながら、路線バスだけで半島を1周しようとした際、運行ダイヤまで考慮に入れると、現実的に無理のないルートはどのようになるのか。現地でバスに乗って確かめてみた。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、現実的な伊豆半島バス1周旅の現地ロケ写真があります)
■ぜんぜん変わるスペックと実態
伊豆半島の細かなエリアまでネットワークを広げている主要の公共交通機関は路線バスになり、そのほとんどが東海バスの運営による路線網だ。
この東海バスの路線を使って、伊豆半島内を海伝いにぐるっと1周できるかどうかを別の話で考察してみたが、今回は実践編。
物理的に見る分には、海伝いにも結構よく路線系統が繋がっている印象があるとはいえ、実際やってみようとなり、運行ダイヤを視野に入れた途端、スペックと実態に大きな差が出てくると痛感させられる。
■修善寺発→修善寺着でぐるっと1周
どこをスタート/ゴール地点にするか少し思案して、まず沼津や函南など伊豆半島の付け根部分に設定すると、そびえるダイヤの壁高く、始めた時点で詰む確率が極めて高いと予測。
今回はヘンな乗り通し根性や修行圧力が滲み出てくることのない、あくまで現実的なバス旅のルートの洗い出しが目的ということで、東西南北各方面へのバスが集まる修善寺駅前のバスターミナルをスタート/ゴール地点に見立てた。
修善寺への到着時間帯を加味したところ、反時計回りのほうが好都合だったので、最初に利用するのは西側の海岸線を目指してくれる路線系統になった。
■乗る本数は意外と少なめ?
2025年12月に現地を訪れ、移動距離が長くなることから東海バスが発売している「東海バスフリーきっぷ」を購入した。
3日間用を選んでいたため実際は寄り道を少々挟んでいたが、ここでは海沿い1周ルートに深く関係している部分のみを抽出して書き出してみよう。
【伊豆半島なるべく海沿い路線バス旅1周ルート 反時計回り現実重視】
(1)★修善寺駅→(W30/W39系統・松崎行き)→松崎
(2)松崎→(W40系統・下田駅行き)→下田駅
(3)下田泊まり
(4)★下田駅→(S20系統・河津駅行き)→河津駅
(5)河津駅→(C50系統・修善寺駅行き)→修善寺駅
※S20系統はS05系統・稲取高校上行きでも可。ただし朝6時台発
走行距離合計が137.6km、正規運賃での支払額は7,150円になる。距離に対して利用するバスの数は4本と、比較的シンプルな印象。
■海沿いベタ走りで約180kmあるけれど
上記ルートのうち「★」がついているものは、進行方向右側にオーシャンビューの区間が含まれている海系路線に相当。今回のテーマでは思惑通りのオイシイ場所を通るバスなわけだ。
修善寺発着で、北側を除いて海岸線沿いを通っている国道もしくは県道経由で1周してくると、合わせて大体180kmくらいの距離がある。
これに対して、★つき路線バスがカバーしている海沿い区間は、(1)の土肥〜松崎間およそ23kmと、(4)の下田〜河津間およそ14kmの計37km分。
海を目指そうとしても100km以上の距離は内陸部を走るのが、時間的余裕と運行ダイヤまで考慮に入れた、現実的な伊豆半島バス海沿い1周ルートの実像といった感じだ。









