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カタログ数値は当てになる? バイクの燃費「WMTCモード値」と「定地燃費値」の見方

配信元:WEBIKE
カタログ数値は当てになる? バイクの燃費「WMTCモード値」と「定地燃費値」の見方

 バイクのカタログや公式サイトには、「WMTCモード値」と「定地燃費値」という2種類の燃費が掲載されています。どちらも燃費性能を示す数値ですが、測定方法や前提条件は大きく異なります。そのため、「結局どっちを信用すればいいの?」「実際の燃費とどれくらい違うの?」と迷う人も多いでしょう。本記事では、それぞれの燃費値の意味と特徴を整理し、バイク初心者などが愛車選びの際にどう参考にすべきかを解説します。

 
文/平塚直樹
 

実際に出すのは難しい定地燃費値

 バイクを選ぶ際などに、重要な情報のひとつが「燃費」ですよね。気になるモデルの数値を調べるには、カタログやメーカーWEBサイトなどにあるスペック(主要諸元)表内の「燃料消費率」という項目を見れば分かりますが、この欄には「定地燃費値」と「WMTCモード値」という2項目が存在します。それぞれどんなもので、どちらがより信用できるのでしょう。



スズキ・GSX-8Tのスペック表にある燃料消費率



スズキ・GSX-8T



ヤマハが3月19日に発売を予定するジョグワンのスペック表にある燃料消費率。新基準原付の燃費も、50cc以下の原付一種と同じ条件で表記されている



ヤマハ初の新基準原付ジョグワン

 まず、「定地燃費値」。これは、昔からカタログなどに掲載されている燃費の数値です。2輪車メーカーが、国土交通省に新型車の型式指定、または認定を受ける際の届出値で、かつては、スペック表に載っていたのは、この数値だけでした。

 より具体的には、平坦な直線の舗装路を60km/h(原付一種は30km/h)で走行し、計測した燃費のことを指します。また、原付一種(新基準原付を含む)は1名乗車時、原付二種・軽二輪・小型二輪は2名乗車時の数値が記載されます。

 この数値をイメージ的にいえば、そのバイクが出す燃費性能のうちでも、最上級に近い値といった感じでしょう。実際に公道を走る際は、平坦な道だけでなく、信号や坂道、渋滞など、ほかにもさまざまなファクターがあります。定地燃費値はそれらを考慮していないため、本当にこの数値を出すのは、かなり困難だといえます。たとえば、同じようなスタイルや排気量を持つ競合車種を比較する際などに、ある程度の参考値として使うイメージではないでしょうか。



定地燃費値は平坦な直線の舗装路で計測した値(写真はイメージ)

 
 
 

WMTCモード値はクラス分けや走行モードを設定

 一方、2013年7月以降、カタログなどで定地燃費値と併記されるようになったのが「WMTCモード値」。これは、国際統一基準(GTR)に基づいて実施する排気ガス測定試験のデータを用いて算出する燃費の数値です。

 測定には、シャーシダイナモという計測機を使用し、発進・加速・停止といったパターンに応じた試験も実施。また、バイクの排気量や最高速度によってクラスが分類されていて、各クラス毎に走行モードも細かく設定。これらにより、使用実態に近い方法での算出が可能だといいます。

 なお、WMTCモード値の場合、クラスは以下のように分類されています。

【WMTCモード値のクラス分け】

●クラス1(主に原付一種・原付二種)
排気量50cc超150cc未満かつ最高速度50km/h未満
または
排気量150cc未満かつ最高速度50km/h超100km/h未満

●クラス2(主に125cc超〜250cc以下の軽二輪)
サブクラス2-1:排気量150cc未満かつ最高速度100km/h以上115km/h未満
       または
       排気量150cc以上かつ最高速度115km/h未満
サブクラス2-2:最高速度115km/h以上130km/h未満

●クラス3(主に250cc超の小型二輪)
サブクラス3-1:最高速度130km/h以上140km/h未満
サブクラス3-2:最高速度140km/h以上

 *国土交通省の資料より作成

 ちなみに、定地燃費値とWMTCモード値を併記するようになったのは、日本のメーカー(日本自動車工業会に加盟するホンダ・ヤマハ・カワサキ・スズキといった主要4社など)の自主的な取り組み。従来の定地燃費値だけでなく、実際の走行環境に近い燃費指標を求められたことを受けて始めたといわれています(現在、カワサキだけは、HPなどにある主要諸元はWMTCモード値のみの表記)。

 
 

WMTCモード値が実燃費に近い理由

 このように、WMTCモード値は、細かいクラス分けを行い、それぞれの走行モードを設定。加えて、市街地や郊外、高速道路走行など、一般的な使用実態も走行モードへ反映している数値です。

 そして、これらにより、定地燃費値と比べると、実際にバイクへ乗る際の使い方により近い燃費を算定できる測定法だといえます。



WMTCモード値は、市街地や郊外、高速道路走行など、一般的な使用実態を走行モードへ反映させている(写真はイメージ)

実燃費は乗り方や天候、路面状況などで変わる

 もちろん、だからといって、実際に乗った場合の燃費と全く同じにはなりにくいのも確かです。

 なぜなら、そもそも実際の燃費は、ライダーがどんなアクセルの使い方をするのかはもちろん、タイヤの空気圧やオイルなど車両の整備状態でも変わってくるからです。さらに、走行する路面の起伏といった道路状況、晴天か雨かといった天候など、さまざまな要因が影響することも多いのです。

 そのため、実際の燃費は、WMTCモード値より低いこともあれば、良くなる場合もありえます。また、WMTCモード値は1名乗車時の燃費。そのため、原付二種やそれ以上の大きなバイクで2名乗車のタンデム走行を行うと、必然的に車体が重くなり、やはり実際の燃費とは変わってきます。



WMTCモード値は1名乗車時の燃費。タンデム走行時は車体が重くなるため、燃費は変わってくるはずだ

 ただし、WMTCモード値は、前述の通り、より細かい設定やデータを使っているだけに、従来の定地燃費値より現実の燃費に近いことは確かでしょう。

 ツーリング派はもちろん、通勤・通学などの普段使いが主というライダーにとっても、燃費はバイク選びの重要なファクターです。ぜひ、WMTCモード値も有効活用し、とっておきの1台を見つけ出す際の参考にしてみて下さい。

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/bikenews/515321/

カタログ数値は当てになる? バイクの燃費「WMTCモード値」と「定地燃費値」の見方【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/515321/515340/

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