ドラマや漫画で車の前に飛び出してドライバーから怒鳴られる際のセリフに「死にてーのかー!」というのがあるが、相手がバスだと冗談でも洒落でもなく本当にそうなる。バスを運転していて、これだけはやめて欲しい主に歩行者の行為をいくつか述べるのでご自身の安全のためにも覚えておいていただけるとお互いに助かる。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(写真はすべてイメージであり本文とは直接関係ありません)
■横断歩道は正しく渡りましょう!
幼稚園の時に横断歩道を渡る際は「手を挙げて、右を見て、左を見て、もう一度右を見て渡りましょう」と習ったはずだ。これは実に理にかなっている渡り方で、バスのような大型車からはあまりにも広い視界の中では視界に入っていても小さい人の姿は顔を向けて目線を意識的に注がないと見えないのだ。
特に園児のような小さい存在だと、手を挙げていれば発見しやすい。車道では右から先に車が来るので右を見て、次に渡り始めて来る左を見て、左を見ているうちに突進してくる車があるかもしれないからもう一度右を見て渡るのは非常に安全な方法だ。
大人に手を挙げてくれとは言わないが、直進車はともかく交差点を左折して横断歩道に差し掛かる大型車からは特に見えにくい。意識的に横断歩道の左側を歩くと見えやすい。
そしてフライングは事故の元というよりも脅すわけではないが死亡の元なので、歩道があるならば歩道の中で歩行者用信号が青に変わるまで待ってから横断しよう。
■後ろ斜めからショートカットはやめて!
右でも左でも横断歩道を渡らずにショートカットする歩行者は意外に多い。最終的には横断歩道に入るのだが、スタート地点が横断歩道外なのだ。大型車が信号で停止していて、左後方から歩いてきて運転席のすぐ脇を通って横断歩道に合流するショートカット、逆に左後方からバスの前ドアをかすめて横断歩道に合流するショートカット、どちらもある。
もし、この時に車道の信号が青になり大型車が発進すれば間違いなくショートカット中の歩行者は死角で見えない。そのまま発進すればどうなるかはお分かりだろう。
特に左後方からのショートカットはミラーにも写らない死角であり、運転席の真横に来て初めて見えるので、その時にはもう遅いのだ。死にたくなければショートカット横断はやめた方が良い。
■カーブですり抜けはやめて!
大型車の横を二輪車ですり抜けるライダーや自転車は意外にも多い。まず左カーブの際はミラーで注意しているが、突進してきてバスの横に入りそのままカーブに進入すると内輪差で二輪車に接触してしまう。二輪車は走行中かつ逃げ場がないのでどうなるかはお分かりだろう。
右カーブの場合はバスの後ろ(後輪より後ろのボデー)が二輪車に接触してしまう可能性がある。大型車のすり抜けをどうしてもやるならば、渋滞等で停止しているときにだけでお願いしたい。
■バスに突進してこないで!
バス停にバスがいて「乗るから待って~」のゼスチャーをしながらバスに突進してくる乗客がたまにいる。待つか待たないかは事業者や運転士の考えによるので、そこは何とも言えないが記者は遅延していても乗る意思があることが運転席から確認できれば待って乗車させる方針だ。
しかしバスの前方ではなく後方から走ってくる人はほとんど見えないので、待ってあげようにも無理なことが多い。原則としてバスは分単位で走っているので、ダイヤ通りに走っている場合は発車時刻の00秒になれば発車してしまうと思ってもらって構わない。
それでも諦めず走ってきて閉まったドアをたたく人もいる。これだけは絶対にやめて欲しい。ドアが閉まると、たいていはすぐに動き出す。危険極まりないので死にたくなければ諦めて欲しい。
そして対向車線から無理に道路を渡って乗ろうとする人も危険だ。バスの前を無理に横断してきて乗ろうとしているのだが、前述のように右後方から渡ってこられるとまったく見えないので、これも死亡事故直結の行為だ。1ミリでも動き出したら諦めて欲しい。


