このほどブリヂストンは、タイヤ・路面摩耗粉塵(TRWP:Tire and Road Wear Particles)の環境への影響把握に向け、業界で初めてトラック・バス用タイヤに対応した実車捕集法を開発した。タイヤ業界ではTRWPの研究が進められているが、新しい捕集法を開発する狙いとは!?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真・図/ブリヂストン・JATMA・フルロード編集部
トラック・バス用タイヤに対応した実車捕集法
TRWPは、自動車のタイヤが路面と摩擦を起こすことで発生する粉塵であり、タイヤの表面(トレッド)と道路舗装材が混ざり合った粒子である。
多くは100µm(0.1mm)以下の細かな粒子で、これが自然界へ拡散することでマイクロプラスチック問題や大気汚染、土壌汚染などを引き起こす可能性が指摘され、生態系への影響が懸念されている。
ブリヂストンは、この新しい環境負荷に対し2025年に乗用車用タイヤの実車捕集法を発表しており、その後も改善を重ねて捕集率を向上させてきた。
今回、新たにトラック・バス用タイヤに対応した実車捕集法を開発したことで、タイヤ摩耗量の多い大型車でも効率的なTRWP捕集が可能となり、粒径分布や飛散状況、環境影響などを理解する活動を加速させる狙いがある。
新たな捕集法では、乗用車用実車捕集法で得たTRWPの生成過程や飛散状況に関する知見を活かし、高効率でTRWPを捕集できる独自の方法を構築している。具体的な捕集法は以下の通りだ。
・発生するTRWP以外の粒子の影響を最大限排除した捕集方法
トラック・バスから発生するTRWPと路上に既に存在していた他の粒子の混入を防ぐため、走行前に路面を清掃。さまざまな走行条件を想定し実車試験を行なえる同社のプルービンググラウンド(テストコース)を活用した。
・トラック・バスに対応した捕集装置の開発
大型タイヤにも対応可能な吸引装置および吸引口を開発。風の影響を受けやすいカバー部分には強度の高いアルミフレームを採用し、走行時に発生するTRWPを捕集する。
・走行後のTRWP捕集
加えてトラック・バス走行後にはコース上やタイヤカバー内部に残っているTRWPを捕集する。
TRWPの環境影響把握と発生量低減へ
ブリヂストンはこれまでにも、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)傘下のTIP(タイヤ産業プロジェクト)を通じて、TRWPの物理的・化学的特性とその影響の研究を進めるとともに、社外の研究機関やパートナー企業との共創活動にも力を入れてきた。
今回の新しい実車捕集法での研究内容も広く共有していくとしており、環境影響把握に向けた研究の加速が期待される。
また、並行してタイヤ性能と耐摩耗性能を両立させTRWP発生量の低減・最小化を図るロングライフ商品の開発や、環境負荷の低減に貢献するソリューション事業との連携も進めていくとしている。
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