昨秋開催の「ジャパンモビリティショー2025」で注目を集めた、三菱ふそうが開発中の2台の水素駆動大型トラック。1台は燃料電池、もう1台は水素エンジンと、異なるパワートレーンを搭載するのが特徴だが、一体どんな違いがあるのか? 各車両の特徴と開発の狙いを解説!
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
燃料電池を搭載する「H2FC」
三菱ふそうがジャパンモビリティショー2025で公開したのは水素駆動大型トラックコンセプトは「H2FC」と「H2IC」の2台。
H2FCは燃料電池(FC)を搭載する電気自動車(FCEV)で、水素をFC内で化学反応させて発電し、その電力でモーターを駆動させ走行する。FCEVは純バッテリーEVに対して航続距離と積載性の面で優位性があることから、大型商用車の電動化の本命とされているものだ。
ベース車両は大型トラック「スーパーグレート」のGVW25トン級3軸6×2シャシー「FU」で、既存パワートレーンの代わりに燃料電池、液化水素タンク、高電圧バッテリー、走行用モーターを搭載。モーターはセントラルドライブ式で、最高出力544PSで後輪を駆動する。
H2FCの大きな特徴は燃料に「液化水素」を用いる点。液化水素は現在主流の圧縮水素ガスと比べ同重量なら40%も体積が少なく、エネルギー密度が高い。しかもエネルギー変換効率も60%とディーゼルエンジン(最良で50%超)より高い。
そのため航続距離を確保しながら燃料タンクをコンパクトに設計でき、ディーゼル車と同じ、あるいはそれ以上の運用性を発揮することができる。
展示されたコンセプトモデルはシャシーフレーム左右に重量換算で合計80kgの液化水素を収める断熱タンクを搭載。ディーゼルエンジンのウイング車と同じ荷台スペース(内法長9.6m)を確保しながら航続距離1200kmを実現する。
まさに次世代の長距離トラックだ!
水素エンジンを搭載する「H2IC」
もう一方のH2ICは、化石燃料の代わりに水素を燃焼させエンジンを回す「水素エンジントラック」だ。
水素エンジンはエネルギー効率や排出ガスの点でFCEVに劣るが、既存パワートレーン技術を活用できることからコストを含む実現可能性で優位に立ち、FCEV普及までの過渡期かつ現実的な選択肢として注目されている。
ベース車両はH2FCと同じ「FU」系で、エンジンはメルセデス・ベンツの「OM473」型(排気量15.6L)をベースにオットーサイクル化した「M473」型を搭載。12段AMTなどドライブトレーンはベース車と共通で、出力は476PSだ。
燃料は圧縮水素ガスで、シャシーフレーム左右とキャブ後方に合計8本のタンクを搭載。荷台スペースはディーゼル車と比べ約80cm短いが、航続距離は700kmを確保する。ちなみに展示車両は圧縮水素ガス仕様だが、液化水素も可能。航続距離と積載スペースの拡大も可能そうだ。
三菱ふそうではFCEVを長距離カーゴ用、水素エンジンを中距離や特装車用に想定しているという。
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