ホンダEV戦略が急ブレーキ! アフィーラ中止とEV縮小の裏側とは?? 電動化戦略見直しの全貌

ホンダEV戦略が急ブレーキ! アフィーラ中止とEV縮小の裏側とは?? 電動化戦略見直しの全貌

 ホンダが掲げた「2040年EV・FCEV100%」戦略が大きな転換点を迎えた。ソニーとのEVブランド「AFEELA」も中止となり、EV投資の見直しとHEV回帰が進む。モータースポーツの現場も含め、その背景と課題を読み解く!!!!

文:中谷明彦/画像:ホンダ

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AFEELA中止が示すホンダの苦境

AFEELA中止はホンダEV戦略見直しの象徴
AFEELA中止はホンダEV戦略見直しの象徴

「2040年までにEV・FCEV販売100%」という壮大な理想を掲げた本田技研工業(ホンダ)の電動化戦略が、今、決定的な破綻と再構築の局面を迎えている。

 ソニーグループとの共同事業の象徴であったEVブランド「AFEELA(アフィーラ)」についても、第1弾モデルおよび第2弾モデルの開発・発売中止が正式に発表された。中止の直接的な要因は、ホンダによる四輪電動化戦略の劇的な見直しにある。

 AFEELAは、ホンダからの技術供給や車体アセットの活用を前提に事業計画が組まれていた。しかし、ホンダ側がEV投資の抑制とリソースの再配分へ舵を切ったことで、SHM(ソニー・ホンダモビリティ)は「当初の企画通りに商品化することは困難」との判断を下したわけだ。

 米国の予約客への返金手続きも開始され、鳴り物入りで始まった「異業種タッグ」によるEVプロジェクトは、事実上の頓挫を余儀なくされたことになる。

 現在のホンダは、EV市場の急速な冷え込みという現実に直面し、得意のハイブリッド車(HEV)への回帰と、日産・三菱連合とのアライアンス構築による「生存戦略」への切り替えを急いでいるようだ。

 かつての「独力でのEV先駆者」という看板を下ろし、巨額の負債を抱えながらも現実的な収益性を追求するホンダの姿は、自動車産業が直面する電動化転換の難しさを象徴している。

F1現場で露呈した課題……パワートレインの異常と現実

F1でも露呈した振動問題は深刻な課題
F1でも露呈した振動問題は深刻な課題

 こうした変化はモータースポーツの現場にも表れている。2026年シーズン、ホンダはF1に新たなパートナーとしてAston Martin F1 Teamと組んで参戦した。しかし開幕戦からマシンのパフォーマンスには疑問符が付き、2戦を終えた段階で完走ゼロという厳しい結果に直面している。

 第二戦の中国グランプリでは、フェルナンド・アロンソ選手がパワートレインの振動に起因するとみられるバイブレーションに悩まされ、レース途中でリタイアを余儀なくされた。レーシングドライバーの視点から言えば、こうした振動は単なる不快なフィーリングのレベルではない。

 レースカーというものは、シート、ステアリングホイール、ペダルを通じて車両の状態が極めて敏感に伝わってくる。わずかな振動の変化でも、ドライバーはその原因を探りながら走ることになる。

  特に近代F1のパワーユニットは、内燃機関と電動システムが複雑に統合された極めて精密な機械だ。回転バランスがわずかに崩れただけでも振動特性は大きく変化する。ドライバーはその変化を背骨で感じ取る。

 ステアリングに伝わる微細な震え、シートから伝わる共振、そのすべてが異常を知らせるセンサーになるのである。もしドライバーが危険を感じるレベルの振動であれば、それは単なるドライバビリティの問題ではなく、パワートレインそのものの構造的問題に近い。

 その意味で、中国GPでのリタイアは決して軽視できるものではない。続くホンダのホームともいえる鈴鹿サーキットでの日本グランプリでは、問題が完全に解決したとは考えにくい状況だ。

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