日本では、たくさんの荷物を載せて走るイメージのあるピックアップトラックですが、そんな常識を覆すような一台が海外で現れました。いすゞがタイのモーターショーで公開したレーシング仕様のトラックは、本来なら荷物を載せるはずのスペースをガン無視し、風を味方につけるための「空力パーツ」に変えてしまったのです。いすゞがバンコク国際モーターショー2026に出展した特別なカスタムカーについてご紹介します。
文:吉川賢一/写真:エムスリープロダクション
【画像ギャラリー】いすゞが公開した「積めない」トラック ピックアップトラック「D-MAX」をベースにしたレーシングマシン(12枚)画像ギャラリーなぜピックアップトラックが「レース仕様」に!??
2026年3月25日から4月5日にかけて開催されたバンコク国際モーターショーで、いすゞが公開して大きな話題となったのが、ピックアップトラック「D-MAX」をベースにしたレーシング仕様の車両です。
いすゞによると、このモデルは「Isuzu Challenge Thailand 2026」というプロジェクトのために特別につくられたカスタム車両とのこと。実際の競技に参加することを前提に開発されたマシンです。
「Isuzu Challenge Thailand」とは、タイ国内で開催されている、D-MAXだけを使って競われるワンメイク形式のモータースポーツです。若手ドライバーを育てたり、ブランドの新しい魅力を伝えたりすることを目的としたイベント形式のレースとして展開されています。
もはや別物…「トラックの形をしたGTマシン」
フロントまわりは、大胆なエアロパーツによって強烈な存在感を放っています。地面すれすれまで下げられた車高に、外側へ張り出したフェンダー。そして、空気を切り裂くような鋭いカーボン製の調整式フロントリップスポイラーなど、空力性能を意識した機能的な造形で、まるでサーキットを猛スピードで駆け抜けるGTマシンのよう。ベースとなっている「D-MAX」の面影も残されてはいるのですが、ピックアップトラックとは明らかに違うオーラを放っています。
装着されていたタイヤはTOYO製「PROXES SPORT 2」で、サイズは275/40RZ18(6穴)。ホイールとボディのクリアランスは極端に小さく、通常の走行を前提としていないことがわかります。リアホイールにはエアロディスクカバーも備えられていました。
驚くべきは荷台部分。本来は荷物をたっぷり載せるはずの荷台部分は、空気の流れを整えて車体を地面に押し付けるための「巨大なウイング」や「ディフューザー」で埋め尽くされています。トラックの命ともいえる「積載性」をきっぱりと捨て、「ただ速く走ること」だけにすべてを捧げた、まさに「トラックの形をしたGTマシン」といった印象です。
見た目だけじゃない!中身は完全な競技マシン
中身も本格仕様で、搭載されているのは、特別にチューニングされた2.2リッターDdi MAXFORCEエンジン。最高出力は285馬力、最大トルクは500Nmという、トラックの枠を超えた圧倒的なパワーを誇ります。足回りも本格的で、ブレーキシステムに6ピストンフロントキャリパーのネオテックEVO-Rを採用し、BKレーシングクラッチやリミテッドスリップ式リアデフを組み合わせています。
車内を覗けば、ドライバーを守るための補強材(ロールケージ)が張り巡らされ、余計な装備は一切取り払われており、そのままレースに投入できそうな実戦仕様であることがうかがえます。















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