華々しくデビューを飾ったランドクルーザーFJ。我々のような自動車Webメディアが記事を配信するとそのリアクションのなかで多いものが「遅い」というもの。そもそもランクルって遅いクルマなのだが……声高に2.7Lを搭載するワケをお届けしたい。
文:ベストカーWeb編集長 塩川雅人
【画像ギャラリー】SUVとは別モノ感スゴい!! ランクルFJのタフすぎる足回りと無骨デザインを見る(24枚)画像ギャラリー「ランクル」と「SUV」はまったく異なる乗り物だ
「ランクルFJは鈍足」。こんな声がランドクルーザーFJの発表後にSNSなどで溢れている。たしかに搭載される2.7Lの2TRエンジンは163psしかないし、決してエンジン単体で見ても速いものではない。そこに約2tのフレームとボディが載るのだから、速いわけがない。
ただランドクルーザー、もっと言えばラダーフレームを採用するクロカン4WDは決してスピードと快適性を追求するカテゴリーではない。ファストフードのハンバーガー店にいって「ハンバーガーとポテトを食べるとカロリーが気になる」と無粋なことを言うだろうか。
「それならば食べなければいいだろ」とツッコミを入れたくなるはずだ。ランクルFJもまったくもって同じ状況になっている。ランクルFJの最優先性能は悪路走破性だ。いかなる道でもクリアすることを目的に作られていて、悪路を走ることでその本分を果たすのだ。
高速道路の加速がどうとか、燃費がどうとか、そのようなことを気にする人にはRAV4があるわけで。トヨタは無理にランクルFJを売りたいわけではなく、様々な選択肢を用意しているのだから快適性などを求めるなら他車種に流れればいいのだ。
せっかくなら流儀を知るのもいいのでは?
じゃあ、快適性をランクルに求めてはいけないのかといえばそんなこともない。ここが難しい話なのだが、例えばランクル300はハイパワーのパワーユニットを搭載したラグジュアリーなモデルだ。乗り心地もいいし、静粛性も高速道路でのパワー感もある。
ただ、このラグジュアリーの流れはランドクルーザーのほんのひとつの側面でしかない。そして実はランクル300の悪路走破性について、トヨタは現行モデルで最上級に位置付けている。さらに世界規模で見ればランクルのメインストリームはあくまでも超タフでハードな走破性を誇るモデルで、それはランクル70などが担ってきた「ワークホース」である実用レンジのランクルたちだ。
ランクルが培ってきた実用レンジと乗用レンジをオーバーラップしつつ、新たにファミリーに加わったのがランクルFJだ。ハイラックスチャンプというもっとも生活根差したクロカンモデルをベースにしつつ、コストを抑えて登場したモデルだ。
エンジンもガソリン2.7Lの2TRエンジンだが、2tを切るランクルFJには充分な性能だ。そしてこれまで20年以上にわたり世界中のハイラックスやプラドで使われてきたこともあり、旧来からのエンジン構造はタフで整備もしやすく、パーツも手に入りやすい。そもそもが決して日本の高速道路を気持ちよく走ることを考えたエンジンではないのだ。
従来からのランクルマニアにとってその出自にあれこれ言いたくなる気持ちもわかるが、やはり「ランドクルーザー」という記号の重みを知っているのは、ほかならぬトヨタ自身。
ランクルはSUVではなくあくまでクロカンだ。それは末っ子のFJでも変わることはないし、その精神に少しでも寄り添う気持ちがないと真価を発揮できないぞ。
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