中東情勢の悪化で中止となった2026年のF1サウジアラビアグランプリ。2025年はジェッダ市街で開催されたサウジGPだが、2028年からは新たなサーキットで開催されるという。この新サーキットがまるでゲームのようなコースなのだ!!
※本稿は2026年4月のものです
文:角田伸幸/写真:ホンダ・レーシング ほか
初出:『ベストカー』2026年5月26日号
最大高低差108メートルの立体サーキット
サウジアラビアではジェッダ市街地でF1が開催されているが、それに代わる新たなサーキットが建設中なのをご存知だろうか。
舞台となるのは、首都リヤド郊外の広大な砂漠地帯で開発が進むエンターテインメント都市「キディヤ」。石油依存からの脱却を目指す国家戦略「サウジビジョン2030」の象徴として、スポーツと娯楽が融合した革新的な遊び場が姿を現わしつつある。
ここに建設中の「キディヤ・スピード・パーク」は、これまでの常識を打ち破る豪華さと、アラブらしい破天荒な発想に満ちている。
総コーナー数は21、コース内の最大高低差は108mに達し、地形を活かしたレイアウトはまさにリアルなジェットコースターそのものだ。
マシンはテーマパークの中を駆け抜け、記録破りのジェットコースターの脇や、2034年開催予定のサッカーワールドカップ用スタジアムの至近距離を疾走することになる。
なかでも最大のハイライトは、象徴的なコーナー「ザ・ブレード」だ。元F1ドライバーのアレクサンダー・ヴルツが設計に携わったこのセクションは、なんと地上20階建てのビルに匹敵する高さまでせり上がっている。重力に逆らうように空中に突き出したコースをクルマが駆け抜ける様は、まさに圧巻だろう。
この野心的なプロジェクトはF1関係者からも絶賛されている様子。サーキットは2027年の完成を目指しており、翌2028年にはジェッダの後継として、F1を開催する計画だ。
砂漠のど真ん中に誕生するこの空中サーキットが、モータースポーツ界に話題を撒く日は近いが、一方、中東では不幸な紛争も起きている。やはりレースは、平和の中で楽しみたい。
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