高齢者の免許返納が話題にのぼる昨今だが、還暦あたりの世代は、将来の免許返納は意識しつつも、まだ乗っていたいお年頃。しかしどうにも衰えが……!? なるべく長く運転するために注意するポイントを松田秀士氏がアドバイスする。
※本稿は2026年5月のものです
文:松田秀士/写真:ベストカー編集部、AdobeStock(トップ画像=naka@AdobeStock)ほか
初出:『ベストカー』2026年6月26日号
夜、とにかく見えない。雨の日も見にくい。ほとんど勘で走ってる気がする
昼間の走行で暗いトンネルに入った時、しばらく見えにくいですよね。暗順応と言いますが、高齢者は若年層の3倍(平均24秒)かかると言われています。暗い場所に入った時に瞳孔が開くのが遅くなるのです。
夜は瞳孔が開くことで、できるだけ多くの光を目に導き見ていますが、最近のクルマはナビや計器類もバックライトを使用しているため室内が明るく、瞳孔が閉まり気味です。このため明順応と暗順応を繰り返し見えにくくしてしまっています。
対策はナビや計器類の照明を調光スイッチで暗くし、できるだけ瞳孔を開かせる。
また雨天時は瞳孔が開いていることから、乱視があるとより乱反射して見えにくいばかりか、眼精疲労を起こします。この対策はイエローレンズのメガネを掛けるのがよいとされていますが、まず速度を落としましょう。
若い時はまったく気にならなかった、高速道路での長距離・長時間運転がしんどい
高速道路を走る時、だれもが無意識のうちに車線内中央を走るようステアリングを微妙に操作しています。
これを「車線内中央維持(センタリング)」と言います。ごく当たり前の運転。しかしこのセンタリングは常に集中しているため脳疲労の主な原因となります。
打開策は、自動でステアリング操作をアシストしてくれるLKAS(レーンキープアシストシステム)を使うことです。
多くの場合、前走車との車間をキープしてクルーズ走行をするACCと連動する方式になっています。LKASを使用することで脳疲労を抑えられ行動半径が広がります。
しかし疲れたら迷わずSA・PAに入り寝ましょう。シートを倒し寝るのです。長時間の座った姿勢で下半身に血液が集中ぎみ。足をハンドルやダッシュボード上に挙げ、眠れなくても目は閉じます。目を閉じることで脳の酸素消費が激減し、回復を早めてくれます。
メーターに視線を移した時に、瞬時に文字が読み取れない
老眼(老視)です。モノを見る時にピント合わせをしているレンズ状の水晶体がありますが、この水晶体の厚みを毛様体筋という筋肉が膨らませて、瞬時にメーターを読むことができているのです。
しかし老眼になると、毛様体筋も水晶体も衰えピント合わせに時間がかかるようになります。近くのメーター読みだけでなく前方に視線を戻しても水晶体の反応が鈍く前がしばらくボヤけます。
特にこの前方に視線を戻した時にボヤけるのが危険です。対策は遠近両用メガネを掛けましょう。慣れるのに少し時間がかかりますが、クリアに見えるようになりますし、脳疲労を低減します。
私はレースでも以前から遠近両用メガネを装着しています。パフォーマンスが上がるからです。
【画像ギャラリー】やっぱり一番クるのは目か……! 注意点を画像でおさらい!(5枚)画像ギャラリー








コメント
コメントの使い方