クルマ好きなら誰でも、好きなクルマ、好きなメーカーはあるだろう。その「好きな理由」の大きな位置を占めるのが、各メーカー固有の技術だ。我々の好きなクルマ、好きなメーカーを唯一無二たらしめる「孤高の技術」をご紹介しよう。
※本稿は2026年5月のものです
文:伊達軍曹/写真:マツダ、スバル、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年6月26日号
一般的な正解ではなく「執念」に敬礼を!
マツダのe-SKYACTIV Xや日産のVCターボなど。それらは客観的に見れば、現状、既存のハイブリッドやEVに比して劇的な優位性があるとは言い難い。「複雑で高コストなわりに」という冷ややかな声があるのも事実だろう。
だが、それでもこれらに殉じる価値はある。なぜならば、これらは世界中のメーカーが効率一辺倒の「正解」に群がるなか、あえて茨の道を選び、己の理想を突き詰めんとした「執念の結晶」だからだ。
最新技術の数値を比較して一喜一憂するのは、単なる「消費」に過ぎない。そうではなく、メーカーが社運を賭して世に問うた「孤高の解答」を、自らの血肉として引き受ける。そんなサムライ的行為が、深い自負心と多幸感をもたらすのだ。
【e-SKYACTIV X】ほぼ全域で希薄燃焼を実現する火花点火制御圧縮着火
スパークプラグで点火しつつ、燃料を極限まで薄くして圧縮着火させることで、高回転までスムーズに伸びる特性と燃費性能を実現し、マイルドハイブリッドも付加。環境性能と爽快な走りの融合を狙ったマツダの技術だ。
「車両価格の高さに見合った経済効果は得られにくい」との声もあるが、全域でトルクフルな乗り味は大いに魅力的でもある。コスパではなく「マツダの心意気」に着目したい。
【e-SKYACTIV R-EV】ロータリーエンジンという固有資産を発電機として使う
MX-30 EV MODELのモーター/発電機と同軸に、発電専用ロータリーエンジンを追加したマツダのハイブリッドシステム。
普段の生活はEV走行でカバーし、長距離走行時は、50Lの容量を持つタンクに積むガソリンで発電用ロータリーエンジンを動かすシリーズハイブリッドとして走る。
せっかくのロータリーエンジンが発電専用なのは微妙だが、「ロータリー!」というだけでグッとくるものはある。
【VCターボエンジン】圧縮比を自在に切り替え、低燃費と高出力を同時に実現
圧縮比を自在に切り替えることで、通常はトレードオフの関係にある「燃費」と「ハイパワー」を同時に実現することができる、量産型としては世界初となる日産のエンジン。
日本仕様の場合は「発電専用」なのがやや残念だが、きわめて高度でチャレンジングな技術であることには間違いない。
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