スペーシア カスタム HYBRID XSターボは、自然吸気のHYBRID XSより7万8100円高い。しかし、その差額で最高出力64ps、最大トルク98Nmのターボエンジンに加え、強化モーターやパワーモード、パドルシフトまで手に入る。燃費を含めてもお買い得なのかを検証する。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】さすが「カスタム」! スペーシアカスタムのフロントグリルがイカつくてカッコ良すぎ!(7枚)画像ギャラリー7万8100円で最大トルクが約69%も増える
スペーシア カスタムの上級グレードには、自然吸気のHYBRID XSと、ターボエンジンを積むHYBRID XSターボが用意されている。
価格は2WD車の場合、XSが199万5400円、XSターボが207万3500円。4WD車はXSが211万5300円、XSターボが219万3400円である。駆動方式を問わず、価格差は7万8100円だ。
装備内容はほぼ共通している。15インチアルミホイール、両側パワースライドドア、電動パーキングブレーキ、ブレーキホールド、全車速追従機能付きACC、ステアリングヒーター、後席マルチユースフラップ、スリムサーキュレーターなどは、どちらにも標準装備される。
ボディサイズや室内空間も同じで、車両重量まで2WD車は910kg、4WD車は960kgで変わらない。7万8100円は、ほぼ純粋にパワートレーンと走行機能の差額と考えてよい。
XSが搭載するのは、総排気量657ccのR06D型自然吸気エンジンだ。最高出力49ps、最大トルク58Nmを発生し、最高出力2.6ps、最大トルク40Nmのモーターがアシストする。
一方、XSターボは総排気量658ccのR06A型インタークーラーターボを搭載。最高出力は64ps、最大トルクは98Nmへ高まる。出力は15ps、約31%の増加だが、それ以上に大きいのがトルクで、自然吸気車より40Nm、率にして約69%も増えている。
さらに最大トルクの発生回転数は、自然吸気車の5000rpmに対してターボ車は3000rpm。より低い回転数から大きな力を引き出せるため、アクセルを深く踏み込まなくても速度を上げやすい。
モーターも、ターボ車には最高出力3.1ps、最大トルク50NmのWA05A型を採用する。自然吸気車用より最高出力が0.5ps、最大トルクが10Nm大きく、発進直後からターボが本格的に働き始めるまでの領域を補助する。
約900kgの軽自動車へひとりで乗るだけなら、自然吸気でも不足は感じにくい。しかし、大人4人と荷物を載せれば状況は変わる。高速道路への合流、登坂路、追い越し加速などでは、98Nmの余裕が運転のしやすさへ直結する。アクセルを大きく踏んでエンジン回転を上げる場面が減るため、同乗者にとっても走りが穏やかに感じられるだろう。
パワーモードとパドルシフトまで付くなら割安
XSターボだけの装備がパワーモードだ。ステアリングのスイッチを押すと、エンジンとCVTの制御が切り替わるだけでなく、モーターのアシストトルクも増加。坂道や高速道路への合流など、短時間だけ強い加速が欲しい場面で力を発揮する。
通常走行では燃費を意識した制御を使い、必要なときだけパワーモードを選べるため、常に敏感なアクセル特性で走る必要はない。買い物や送迎では穏やかに走り、家族旅行では力強さを引き出すという使い分けができる。
7速マニュアルモード付きのパドルシフトもXSターボ専用だ。スポーティな操作を楽しむだけでなく、長い下り坂でエンジンブレーキを効かせたいときにも便利である。ターボ、強化モーター、専用制御、パドルシフトを合わせて7万8100円なら、装備価格としてはかなり抑えられている。
もちろん、ターボには燃費面の不利がある。2WD車のWLTCモード燃費は、XSの23.9km/Lに対してXSターボは21.9km/L。4WD車では22.4km/Lに対して19.8km/Lとなる。
ただし2WD車で年間1万km走るとして、カタログ燃費から算出したガソリン使用量は、XSが約418L、XSターボが約457L。その差は年間約38Lだ。仮にレギュラーガソリンを1Lあたり180円としても、年間燃料費の差は約6900円、5年間で約3万4500円にとどまる。
実燃費は走り方や道路環境で変わるが、燃料代を含めてもターボが極端に高コストとはいいにくい。一方、街中をひとりかふたりで走ることが中心なら、自然吸気車の性能で十分であり、7万8100円を支払わず燃費を優先する判断も合理的だ。
結論として、XSターボは多人数乗車、高速道路、坂道を日常的に使う人にとってお買い得である。7万8100円で最大トルクが約69%増え、モーターも強化され、パワーモードとパドルシフトまで追加されるからだ。
XSターボの価値は、速さを楽しむことだけではない。背が高く、乗員や荷物を多く載せられるスペーシアを、どんな状況でも余裕を持って走らせることにある。家族のメインカーとして遠出まで任せるなら、7万8100円はぜいたく品の代金ではなく、日々の運転をラクにするための現実的な投資なのである。
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