MT車が急速に姿を消すなか、マツダ3ファストバックには今も6速MTが残されている。しかも2.5Lエンジンを積む25Sでは、6速AT車とまったく同じ305万8000円。価格、装備、走りを比べると、このMT仕様はかなり魅力的な選択肢に見えてくる。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】デザインが秀逸すぎる!! 今見ても古臭さ皆無のマツダ3がコレ(5枚)画像ギャラリー2.5L自然吸気エンジンを305万8000円で操れる
2026年7月に商品改良を受けたマツダ3には、新たに「e-SKYACTIV G 2.5」が設定された。排気量2488ccの直列4気筒自然吸気エンジンに、マツダ独自の「M HYBRID」を組み合わせたパワートレーンである。
最高出力は179ps、最大トルクは24.3kgm。小排気量ターボのような刺激的なスペックではないが、日常域で扱いやすいトルクと、自然吸気らしい素直なレスポンスが魅力だ。アクセルを踏み、エンジン回転を上げながら自分でギアを選ぶ6速MTとは、実に相性のいいエンジンといえる。
この2.5Lエンジンを積む25Sには、前輪駆動の6速AT車と6速MT車が用意され、どちらも価格は305万8000円。MTを選んでも価格が上乗せされないのは、クルマ好きにとってうれしいポイントである。
しかも6速MT車の車重は1400kgで、6速AT車より20kg軽い。WLTCモード燃費も、AT車の15.6km/Lに対してMT車は17.0km/Lと、1.4km/L上回る。MTは運転が楽しいだけでなく、軽さと燃費でも優位に立つのだ。
もちろん、燃費は変速のタイミングやアクセル操作によって大きく変わる。それでも、カタログ値でATを上回っていることは、この6速MTが懐古趣味だけの装備ではなく、現代のパワートレーンとしてしっかり成立している証拠だろう。
装備充実の25Sは実用車としても不足なし
25SはMTを安く提供するための簡素なベースグレードではない。18インチアルミホイールや10.25インチセンターディスプレイ、運転席10Wayパワーシート、運転席&助手席シートヒーター、ステアリングヒーターなどを標準装備する。
さらに、360度ビュー・モニターやクルージング&トラフィック・サポート、交通標識認識システムも備わる。2026年の商品改良では、降車時警告機能付きブラインド・スポット・モニタリングや緊急時車線維持支援、交差点などに対応する衝突被害軽減ブレーキも追加された。
つまり25Sの6速MT車は、安全装備や快適装備を削ったスパルタンなモデルではない。普段の通勤や買い物、家族とのドライブにも使える上質な5ドアハッチバックに、クラッチペダルと6速MTを組み合わせたクルマなのである。
さらに豪華さを求めるなら、本革シートやBoseサウンドシステムを備えた25Lの6速MT車も選べる。ただし価格は326万7000円となり、25Sより20万9000円高い。シート表皮やオーディオに強いこだわりがなければ、25Sでも満足度は十分に高いはずだ。
一方で、25Sの6速MT車は前輪駆動だけの設定となる。4WDが必要なら25Sの6速AT車、あるいはe-SKYACTIV X 2.0を積むX Touringの6速MT車を選ぶ必要がある。また、渋滞時の快適さや発進の気楽さでは、当然ながらAT車が優勢だ。
それでも2.5L自然吸気エンジンを自分で操れ、実用装備も充実し、AT車と同じ305万8000円という条件は魅力的である。今後、MT車がさらに減る可能性を考えれば、マツダ3 25Sの6速MTは「いつか乗りたい」ではなく、「新車で選べるうちに乗りたい」1台だ。
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