MT車といえば、快適装備を削って価格を抑えたベースグレードを想像しがちだ。しかしマツダ3ファストバックの25Lは、本革シートやBoseサウンドシステムを備えながら6速MTを選択できる。速さや派手さではなく、上質さと操る楽しさを両立した大人向けの1台だ。
文:ベストカーWeb編集部/写真:マツダ
【画像ギャラリー】MTでも本革シートとBose付き!! マツダ3「25L」は大人のスポーツハッチだ!(14枚)画像ギャラリー本革内装にBoseまで標準装備する6速MT車
いまや国産乗用車でMTを探すと、選択肢は一部のスポーツカーや廉価グレードに限られる。ところがマツダ3ファストバックの25Lは、そのどちらにも当てはまらない。
25Lは、2026年7月の商品改良で設定された上級グレードだ。滑らかな手触りの本革シートを採用し、運転席には10Wayパワーシートとドライビングポジションメモリー機能を装備。前席シートヒーターとシートベンチレーション、ステアリングヒーターも備えている。
そして6速MT車には、Boseサウンドシステムと12スピーカーが標準装備される。エンジン音やシフト操作を楽しむだけでなく、好きな音楽を高音質で聴きながら長距離を走ることもできる。ストイックさとは無縁の、ぜいたくなMT車なのだ。
安全・運転支援装備も充実している。アダプティブLEDヘッドライト、360度ビュー・モニター、ドライバー・モニタリングなどを標準装備。2026年型では、降車時警告機能付きブラインド・スポット・モニタリングや緊急時車線維持支援、交差点や右折時などにも対応する衝突被害軽減ブレーキが加わった。
MTだから装備を我慢する必要はない。通勤や買い物にも使え、家族や友人を乗せても快適。それでいて、ひとりで走りたい時にはクラッチとシフトレバーを使ってクルマとの対話を楽しめる。これこそ25Lの大きな魅力である。
派手さではなく質感で選ぶ大人のスポーツハッチ
25Lが搭載するのは、最高出力179ps、最大トルク24.3kgmを発生する2.5L直列4気筒自然吸気エンジン「e-SKYACTIV G 2.5」だ。小型モーターを使う「M HYBRID」も組み合わされ、滑らかな発進や燃費性能を支えている。
最高出力だけを見れば、300ps級の高性能ハッチバックには及ばない。しかし25Lの狙いは、絶対的な速さではない。低回転域から余裕のある2.5Lエンジンを、6速MTで思いどおりに操ることにある。
アクセル操作に対して自然に力が立ち上がり、必要に応じてギアを一段落とせば、エンジン回転とともに加速が伸びていく。ターボの爆発的なパンチとは異なるが、一般道でも扱い切れる性能だからこそ、日常の運転で楽しさを味わいやすい。
6速MT車の車重は1400kgで、WLTCモード燃費は17.0km/L。2.5Lエンジンを積む5ドアハッチバックとしては良好な数値である。使用燃料がレギュラーガソリンなのも、毎日乗るクルマとしてうれしい。
価格は326万7000円。同じ25Lの6速AT車より7万7000円高いが、MT車ではBoseサウンドシステムが標準となる。305万8000円の25S・6速MT車との価格差は20万9000円。これで本革シートやBose、シートベンチレーションなどが手に入ると考えれば、決して法外な差ではない。
注意点は、25Lの6速MT車が前輪駆動だけの設定であることだ。4WDが必要なら25LのAT車か、e-SKYACTIV X 2.0を搭載するX Touringの6速MT車を検討したい。
大きなウイングも、刺激的な排気音も、極端に硬い足まわりもいらない。美しいボディと上質な室内、実用的な5ドアボディに、自然吸気2.5Lと6速MTがあればいい。マツダ3 25Lは、派手に速さを主張するのではなく、日々の運転を静かに楽しみたい大人に似合うスポーツハッチなのである。
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