災害直後の避難所は急拵えのため、プライベート空間などは望むべくもない。そのため最近ではプライベートを重視し、あえて「車中泊」を選ぶ人たちも増えているという。ここでは車中泊の場所選びや冷暖房について専門家に極意を伺った。
※本稿は2026年8月のものです
文:大橋保之(車中泊雑誌「カーネル」編集長)/写真:AdobeStock、ベストカー編集部 ほか(トップ画像=Y.S Graphics@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2026年9月26日号
災害時車中泊は「どこに駐車するか」が重要
●緊急時の車中泊5箇条
(1)エコノミークラス症候群を防ぐ
(2)安全な環境は災害の種類によって違う
(3)暑さ対策、寒さ対策は迷わずエンジンオン
(4)一酸化炭素中毒に注意
(5)災害によって車中泊避難の「タイミング」は異なる
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車中泊を避難所として活用する場合に注意すべき点は、車中泊を行う場所だ。レジャーでは、今増加中の車中泊スポット・RVパークなどを活用するのだが、避難となるとそうとも限らない。
注意すべきは、災害によって車中泊する場所が変わること。地震の場合、余震の恐怖と向き合いながらの避難生活となる。
避難所の駐車場、自宅の駐車場、自宅前の路肩などが多いと思うが、絶対条件は倒壊している(もしくは倒壊しそうな)建物やブロック塀、電柱の近くは避けること。崖や斜面、液状化している地域、ひび割れている場所は、もはや言うまでもない。
大雨や洪水では河川や用水路の近くは論外。とにかく高地であること(垂直避難)が必須条件だ。ハザードマップなどで浸水想定区域を知っておくのも重要。台風が伴っている場合は、海岸、特に高潮の危険区域の近くも絶対にNGだ。
土砂災害は、地震でも大雨でも起こりうる。崖や沢沿いはもちろん、林道なども要注意。土砂災害警戒区域も知っておきたい。最近では、台風での倒木も問題になっている。大きな樹木の近くも避けるべきだろう。
気温の管理は必須!! 注意したいこととは
そして暑さ・寒さ対策は一択。エンジンオンでエアコンを使用すること。もちろん、マナー、環境的には最適解とは言えないが、緊急時では命や体調のほうが重要だ。迷ってはいけない。
2026年夏に発生した「令和8年熊本地震」では、停電からの復旧が遅れ、エアコンを使用したいために車中泊避難を選んだ人がいたくらいだ。
また、冬季の車中泊で気をつけたいのが、一酸化炭素中毒だ。マフラーが塞がれ、排気が逆流することによって起こる。主に積雪が原因だが、大雪による立ち往生時に注意すべきポイントともいえる。マフラーの位置を確認し、こまめな雪かきを行うこと。
無雪期であっても、マフラーがブロック塀や壁、岩などに近過ぎると、起こる可能性が指摘されている。決まった場所で車中泊を行わないことも多い避難時、マフラー回りの障害物には気をつけたい。
給油についての注意点
熊本地震ではガソリンスタンド再開後に長蛇の列ができ、給油できない人もいた。ガソリン車で8時間ほどアイドリングをすると、3Lから7Lほどの燃料を消費するといわれ、エアコン使用だと2割から4割増になることもある。燃料の残量はシビアに確認してほしい。
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