スカニアはIAAで新しいBEVトラックを発表した。キャブの後ろに追加のバッテリーパックを搭載することでバッテリー容量を大きく拡大し、航続距離は最大720km!
そのために車軸が追加され、トラクタ最後軸がステアする6×2*4構成に……。スカニア・ダイナミックと組み合わせることでエネルギー消費を最大3%削減可能だという。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Scania CV AB
航続距離720km! スカニアの新たなBEVトラック
スカニアは運送業界における最大の課題の一つとなっている、長距離輸送の電動化に取り組んでいる。
世界最大規模の商用車見本市「IAAトランスポーテーション2026」で同社が発表した新型バッテリーEV(BEV)トラックは、バッテリー容量の拡大とメガワット充電システム(MCS)への対応、そして実用的な車両構成を組み合わせることで航続距離は最大720kmに達した。
欧州ではBEVトラックの普及が始まっているが、要求の厳しい長距離ルートをBEVトラックでカバーできるかどうかは別の問題だ。
スカニアの新しいソリューションはキャブの後ろに追加のバッテリーを搭載し、シャシーに搭載するバッテリーと併せて長距離輸送を実現するというものだ。また、メガワット充電システム(MCS)を利用することで柔軟性を維持しながらより長い航続距離を目指している。
キャブバックにバッテリーを配置するので、(軸重制限のため?)車軸も追加されており、欧州の長距離市場で一般的な4×2トラクタではなく、6×2*4トラクタ(後前軸駆動、前軸・後後軸ステアの3軸車)となる。
これにより連結全長は長くなってしまうが、「R」および「S」キャブに新たに導入したフロントデザインの「スカニア・ダイナミック」と、最後軸がステアするアクスル構成を組み合わせ、旋回性能と一般的なトレーラとの互換性は維持されるという。
なお、電気駆動はパワートレーン自体のエネルギー効率が内燃機関よりはるかに高いため、走行時の総エネルギー消費に占める空気抵抗の割合がエンジン車より大きい。空力改善により2%の燃費向上を謳うスカニア・ダイナミックだが、BEVではエネルギー消費を最大で3%削減するなど、いっそうの効率化を実現している。
航続距離と積載量をバランスさせる
スカニアでソリューション管理を担当する上級副社長のラース・グスタフソン氏は次のように話している。
「電気トラックは既に輸送システムでの活用が始まっていますが、航続距離、積載量、充電など、長距離輸送の要件は他の用途とは異なります。このソリューションは長距離輸送を電動化したい顧客のために、これらの要素を実用的に組み合わせる方法を示しています」。
航続距離、積載量、トレーラの互換性、充電戦略、架装性、これらすべてが業務を電動化できるかに影響する。キャブバックにバッテリーを搭載し、航続距離を延伸する新たなソリューションの登場によりトレードオフ関係にある航続距離と積載量のバランスはより容易になる。
標準的な構成ではMP20型バッテリーパックを2基、キャブの後ろに搭載でき、これにより356KWhの容量を追加する。MCSと組み合わせると、標準的なトレーラを使った長距離輸送も充分に可能だ。
「これは単に新しい位置にバッテリーを配置しただけではありません。重要なのはこれにより何が可能になるかです。航続距離、積載量、充電について初めから考慮することで、従来、電動化が最も困難とされてきた長距離輸送をBEVで実現できます」。(同氏)

