ダカールラリーに挑戦を続ける日野自動車・日野チームスガワラは、10月3日、完成したばかりのダカールラリー2027参戦車「HINO600シリーズ」を神奈川県厚木市の人の森(株)華厳工場の採石場に持ち込み、走行テストを実施した。今回のニューマシンは、どのような進化を遂げたのか!?
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
ダカールラリー2027に向けた走行テスト
1991年の初参戦以来、ダカールラリーへの連続出場を続けている日野自動車は、来年の元日からサウジアラビアで開催されるダカールラリー2027への参戦を表明。次戦で連続36回目の挑戦を迎える。
日野チームスガワラのチーム体制に大きな変更はなく、2027年大会も参戦車はHINO600シリーズ1台とし、乗員はドライバー・菅原照仁、メカニック・望月裕司、ナビゲーター・染宮弘和の布陣を継続する。
2027年大会車両は、2026年大会車両をベースに信頼性向上を狙った改良を施し、9月末に完成。望月裕司によるシェイクダウンが日野自動車・御前山テストコース(茨城県)で3日間にわたって行なわれた。
さらに10月3日には、より実戦に近いフィールドが供される人の森・華厳工場の採石場に車両を持ち込み、菅原照仁による国内最後となる走行テストを実施。本戦に向けた調整や課題の洗い出しを行なった。
このあと参戦車は10月19日に船便で出発。サウジアラビア到着後は、12月16日に同国で開催される前哨戦ジェッタラリーを経て最終的な調整を行ない、ダカールラリー本戦に挑む。
信頼性アップを図った2027年大会車両
2027年大会車両は、エンジンなどの基本性能は変わらないが、大きな変更点としてトランスファをメリトール(カミンズ)製からZF製の「TC27S」(2段の副変速機およびロック機構付きセンターデフを内蔵)に変更している。
この変更は、2025年・2026年大会で度重なるトランスファトラブルが発生したことを受け、入力に対する許容トルクの拡大を図ったものだ。
新しいトランスファは、これから現地(サウジアラビア)でテストを行ない調整していく段階だが、TC27シリーズはトラック部門の競合チームも多く採用しており、レースでの信頼性も期待できる。

いっぽう足回りは、前回実施したサスペンション改良(路面追従性能を向上させるため、ロングテーパーリーフスプリングとコイルスプリングを柔らかいバネ係数のものに変更)に合わせ、ショックアブソーバーの減衰力を今回の走行テストで煮詰め、最適化を行なっている。
また、サイドミラーのバックアップとして、今回新たにカメラモニターシステムを導入。これにともない、左右サイドミラーの上にカメラ、キャブ内の左右ピラー部(ロールバー)に縦長のモニターが搭載されている。
加えて、ルーフ部のライトはレーザーランプス製バーライト4個を採用し、ヘッドライトの照射能力を高めたほか、これまで1個だった燃料タンクを2個(総容量は800Lで変わらない)搭載するなどの変更が行なわれている。
直近の大会はトランスファトラブルなどが影響し、総合成績では振るわなかった日野チームスガワラ。いっぽうで熟成の域にあるHINO600シリーズの戦闘力は、大排気量エンジンを擁する競合チームに対し、トップ10以内で充分に戦えるマシンになりつつある。
信頼性アップを図ったHINO600シリーズで、どこまで順位を押し上げるのか。ダカールラリー2027での戦いに注目だ。
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