近頃、トラックの装備が「いらんことをする!」なんて声をよく聞ききます。
特に先進安全装備ですが、義務付けされるには義務付けされる理由があり、事故を未然に防ぐ効果はそれなりにあるのでしょうが、運転に介在しすぎてうっとおしいと思うのもまた事実のようです。
特にずっと無事故で運転してきたベテランドライバーには、その傾向が強いよう。今回は、アメリカで自分のトラックを運転するPUNKさんに聞いてみました。
文・写真/なでしこトラッカーPUNKさん
*2026年9月10日発行トラックマガジン「フルロード」第62号より
アナログとコンピュータ制御 トラック装備の今昔物語
私のトラックドライバー歴も長くなりました。日本では昭和の時代に、アメリカでは2000年代に入ってから1970年代の古いトラックを乗っていた経験があります。
あまりにも快適な最近のトラックと自己操縦感満載の昔のトラックを比べると、本当に信じられないくらい装備が進化して「便利になったな~」と感心してしまいます。
でも、たくさんいろいろな機能が付いていて「これは要らないな~」と思う装置があるのもまた事実です。大きく分ければ昔はアナログ、今はコンピューターで制御する時代なので、自分で判断&行動する前に意志とは別に勝手に動いてくれます。
例えばトラックのセンサーの作動で不意打ちを食らったように急ブレーキがかかったりします。
安全性を考慮した機能なのはわかりますが、高速でスピードが出ている時に路上に映っていた何かの陰をセンサーがキャッチして急ブレーキがかかる時はマジでビックリします。トラックのオーナーとしては、「タイヤのゴムが減る~」とか、「燃費が悪くなる~」っていつも思ってしまいます。
また、これもセンサー関連ですが、車線を逸脱すると「ダダダダダダダダ」と音が鳴る機能は(メーカーによってはピーピーピーかも?)ちょっとラインを踏んだだけでも鳴ってビックリするし、道路整備で車線が新しくなると、消えかかった古い走行ラインを踏んで「ダダダダダダダダ」って(笑)。
まあ、音が鳴らないように設定すればよいだけのことなのだけど、万が一のことを考えるとオフにはしないほうがよいかなと思ってできません。
スピードリミッター装着に関する日米の違い
スピードリミッターに関しても、ドライバーの視点で言うと、せめて追い越しする時だけでも外せたらいいのにと思います。そのほうが流れがスムーズになって渋滞も起こりにくいんじゃないかな~。
長い上り坂などで他のトラックと並走状態でなかなか追い越せず、後続車が渋滞している光景を頻繁に見かけます。ただ、私のトラックにはスピードリミッターは付いてないので、追い越しの時はとても楽です。
実は、装着が義務付けられている日本と違って、アメリカでは昨年、連邦政府によるスピードリミッターの義務化案が完全に撤回されました。
もっとも大手企業では自主的に導入している場合も多いですし、そもそも州によって制限速度が違うケースもあります。アメリカは広いので一律に何km/hと決めかねるということでしょうか。
AIがドライバーを監視
事故を防ぐための装置もそうですが、最近では大手運送会社などでは車内や車両の周りにカメラを装着することでドライバーの行動を監視する方向になってきています、これは気になりますね。
AIによる監視システムは、一見するとプライバシーを見られて嫌な気持ちになりますが、注意を促されることで居眠り運転などの重大事故が大幅に減っていることも事実です。
ドライバーが自分の経験に基づいて行動&対処する時代から、会社としても積極的に管理するようになってきています。
GPSで位置情報もわかりますし、ドライバーの走行を会社が把握していることに対して、「安心」ととらえるか「煩わしい」ととらえるかは皆さんいろんな意見があると思います。

