クルマのフロントバンパーの下、タイヤの前あたりから垂れ下がっている黒いベロのようなパーツ。さらにリアフェンダーのホイールアーチの縁に付いた耳のような出っ張り。「これって何のために付いているの?」と疑問に思ったことはないだろうか。その正体に迫ってみよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock
黒いベロの正体は「タイヤディフレクター」! 泥除けじゃなかった!
フロントバンパーの下をのぞくと、左右のフロントタイヤの前に黒い板のようなものが付いているクルマがある。まるでベロを出しているようにも見えるこの部品、いったい何なのだろうか?
その正体は「タイヤディフレクター」と呼ばれる空力パーツだ。メーカーによっては「タイヤスパッツ」や「タイヤストレーキ」と呼ぶこともある。
泥や小石の跳ね上げを防ぐマッドガードと勘違いしそうだが、役割はまったく異なる。タイヤディフレクターの最大の目的は、走行中の空気の流れを整えて、空気抵抗を減らすことにある。
クルマが走行すると、正面から受けた空気はボンネットやルーフ、ボディ側面、床下などに分かれて流れていく。
ところが、回転しているタイヤに走行風が直接ぶつかると、タイヤ周辺に複雑な空気の流れや渦が発生する。これが空気抵抗を増やす原因のひとつとなるのだ。
そこで活躍するのが黒いベロ! タイヤの手前で空気を下方向や横方向へ逃がし、タイヤ前面に当たる走行風を減らすことで、空気抵抗を低減している。
つまり、あの小さな板は、走行風を上手にさばく縁の下の力持ちなのである。
燃費向上だけじゃない! 走行安定性にも貢献する
タイヤディフレクターの効果として注目したいのが燃費性能の向上だ。
空気抵抗が減れば、一定の速度で走行するために必要なエネルギーも少なくなる。とくに空気抵抗の影響が大きくなる高速道路では、その効果が期待できる。
ガソリン車やハイブリッド車の燃費向上はもちろん、電気自動車(BEV)では電力消費を抑え、航続距離を伸ばすことにもつながる。
さらに、車体周辺の気流を整えることは、走行安定性の向上や風切り音の低減にも役立つ場合がある。
ただし、タイヤディフレクターを付ければ必ず燃費が大幅に改善するというわけではない。効果は車種や形状、走行速度などによって異なる。
ちなみに、トヨタのランドクルーザー250やクラウンスポーツにもタイヤディフレクターが採用されているが、その大きさや形状は異なる。
タイヤのサイズや車高、ボディ形状によって空気の流れが変わるため、それぞれのクルマに合わせて設計されているのだ。
リアフェンダーに付いている耳のような出っ張りは?
この出っ張り、すべてのクルマに付いているわけではない。街角のクルマで確認できたのはトヨタC-HR、GRヤリス、スズキ スイフトスポーツ、日産キックス、ホンダ ヴェゼル、スバルBRZ、マツダCX-3など。輸入車ではルノーやBMWでも見られた。
なぜこんなものが付いているのか。ほとんどのクルマに共通する理由は、タイヤのはみ出しに関する保安基準への適合だ。自動車のタイヤは、クルマを水平に置いて真横から見たとき、タイヤのてっぺんから前方30度・後ろ50度の範囲内が車体からはみ出ていないことが求められる(平成29年6月から乗用車に限り10mm未満の出っ張りは許容されるようになった)。
この規制、前輪ではほとんど問題にならないが、後輪は厄介だ。空力を意識してボディ後半を絞り込んだデザインにすると、リアタイヤの後ろ側がボディから取り残されてはみ出してしまう。そこでやむなく車体側に出っ張りを付け、「この幅までボディがありますよ」という「理屈」にしているわけだ。
高性能モデルを作るために、同じボディにワイドタイヤを履いた場合も同様だ。GRヤリスやスイフトスポーツがその典型で、ベースのヤリスやスイフトでは標準タイヤで問題ないものを、高性能化に伴いワイドタイヤを装着した結果、タイヤがはみ出し気味となり「耳」が誕生する。実際、ノーマルのヤリスやスイフトにこの「耳」は存在しない。
まずこの出っ張り、すべてのクルマに付いているわけではない。街角のクルマで確認できたのはトヨタC-HR、GRヤリス、スズキ スイフトスポーツ、日産キックス、ホンダ ヴェゼル、スバルBRZ、マツダCX-3など。輸入車ではルノーやBMWでも見られた。
なぜこんなものが付いているのか。ほとんどのクルマに共通する理由は、タイヤのはみ出しに関する保安基準への適合だ。自動車のタイヤは、クルマを水平に置いて真横から見たとき、タイヤのてっぺんから前方30度・後ろ50度の範囲内が車体からはみ出ていないことが求められる(平成29年6月から乗用車に限り10mm未満の出っ張りは許容されるようになった)。
この規制、前輪ではほとんど問題にならないが、後輪は厄介だ。空力を意識してボディ後半を絞り込んだデザインにすると、リアタイヤの後ろ側がボディから取り残されてはみ出してしまう。そこでやむなく車体側に出っ張りを付け、「この幅までボディがありますよ」という「理屈」にしているわけだ。
高性能モデルを作るために、同じボディにワイドタイヤを履いた場合も同様だ。GRヤリスやスイフトスポーツがその典型で、ベースのヤリスやスイフトでは標準タイヤで問題ないものを、高性能化に伴いワイドタイヤを装着した結果、タイヤがはみ出し気味となり「耳」が誕生する。実際、ノーマルのヤリスやスイフトにこの「耳」は存在しない。
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