当サイトでは、かつて掲載した「もし自動車で走行中に(氾濫や増水で)冠水した道を走ることになった時のために、覚えておくべきこと」を再掲しておきます。 万が一のために、ぜひ覚えておいてください。
文:ベストカーWeb編集部 監修:渡辺陽一郎 写真:Shutterstock.com
■【大前提】「冠水路には入らない」を徹底する
自動車にとって「冠水した道路(路面が水に覆われた状態)」の一番恐ろしいポイントは、「路面の状態が視認できないところ」にあります。
まず水深がわからない。底には深い溝があるかもしれないし、当然白線も見えず、マンホールのフタが開いているかもしれない。鉄骨が沈んでいるかもしれないし、車両止めがあるかもしれない。
なので原則として「冠水路には極力入らない」を徹底しましょう。
冠水する道路のポイントはアンダーパスや道路がえぐられているような地形の場所(いわゆるスリバチ状の道路)なので、そういった場所にはなるべく近寄らないようにしましょう。
遠方からでは冠水の状態が分かりにくいことも、被害を拡大させる原因です。アンダーパスが冠水して被害に遭遇した人に話を聞くと「気付かずに進入したら、クルマが突然(冠水によって)浮き上がった」というコメントがとても多いです。浮き上がった後、水深が深い場所では、クルマは徐々に沈んでいきます。
■①やむをえず入る場合は「ゆっくりと」が鉄則
そうはいっても、どうしても冠水路を走らなければならない状況に陥るケースもあるでしょう。その場合は「極力ゆっくり走り抜ける」を徹底しましょう。
これはJAFが実際にテストした結果があるのですが、冠水路を走行する場合は速度を上げて一気に走り抜けるよりも、ゆっくり走ったほうがエンジン停止のリスクは小さかったのです。
速度を上げると、車両が跳ね上げた水が吸気口からエンジン内部に入り、エンジンが停止、故障、あるいは損傷することになります。
また前述のように路面が見えない状態だと、何が沈んでいるかわかりません。(焦る気持ちもわかりますが)ゆっくり進んだほうがはるかに安全といえます。
■②アイドリングストップはオフに!
道路に溜まった水がエンジン内部に入ってくるのは、吸気口からだけではありません。車両後部のマフラー(排気管)を通って入ってくるケースもあります。
まず大前提として、マフラーの位置まで冠水した時点でいずれ「水圧>排気圧」となり、排気ができずにエンジンは止まります。
ただし、もし常時エンジンがかかっていれば(排気圧があるので)ある程度の水圧まではエンジン内部まで水は入ってきません。
いっぽうで、最近の車両にはアイドリングストップが標準装備されているケースが多く、停止してアイドリングが止まると水がエンジン内部まで入ってくる場合があります。
冠水の危険がある場所を走行する場合、アイドリングストップはオフにしておきましょう。
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