セリカやスカイライン、そしてインプレッサとランエボ。ーー2Lターボは、自動車ファンから注目を集めるエンジンであり続け、今もシビックタイプRやなどに搭載され、欧州勢もダウンサイズ化の流れを受けて、2Lターボ車を多数販売。
驚くべきはその性能だ。今や2Lターボのスポーツモデルは300馬力超も当たり前。そんななかで、どこからが高性能な2Lターボと言えるのか?
文:鈴木直也/写真:編集部
ベストカー2017年12月10日号
「燃費対策」から欧州2Lターボが勢い増す
ターボ、それもスポーツターボとなると、最近はどうしても欧州車が優勢だ。
21世紀初頭、車の電動化では日本製ハイブリッドが圧倒的にリード。当初ハイブリッドなんて高コストで売れるはずがないと侮っていた欧州勢は、気がついたら燃費競争でハイブリッドに大差をつけられてしまう。
そこで欧州勢が活路を見出したのがダウンサイズターボだ。欧州の走行パターンなら、この判断には一定の合理性があるし、基本がターボだからそこから高性能版を派生させることも容易。
日本製ハイブリッドには「燃費はいいが走りが退屈」という欠点もあって、こちらもけっこうな大勢力となる。
最近は、日本車にもダウンサイズターボが増えてきているし、欧州車はPHEVを主体とするハイブリッド車のラインアップ拡充に一生懸命。お互いに「1周遅れ」ながら、攻守ところを変えて新しい戦いが始まりつつある。
“高性能”2Lターボの境界線は?
で、今回テーマになっているスポーツエンジンとしての2Lターボだが、前述のような事情があるだけに“タマ数”としては圧倒的に欧州勢の層が厚い。
クラス最強を誇るメルセデスAMGのA45シリーズは、381ps/48.4kgm。ターボに加えてベルト駆動遠心スーパーチャージャーを備えたボルボのポールスター用は367ps/47.9kgm。おなじみのゴルフもGTIじゃなくてRになると310ps/40.8kgm。そのアウディ版S3も、ほぼ同スペック。
フランス勢では(もう旧型になったけど)メガーヌR.S.は273ps/36.7kgm。日本で手に入る車種だけピックアップしてみても、まさに充実のラインアップといえる。
このあたりのスペックを見ていると、最大トルク40.8kgmあたりにひとつの区切りがあって、そこを超えて上へ突き抜けている車は、エンジンの「ただ者じゃない!」感がすごい。
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